今回のテーマは「台風一過」。
※地形図は今回歩いた全ルート、断面図は上野道〜観音道のみとなっている。
三連休、MuscleTurtleさんと摩耶山のマザツリーツアーを計画した。
土日は台風の影響で山行を見送ったが、祝日の月曜日、台風は兵庫県から遠ざかり天候は回復。
MuscleTurtleさんは、私と同じ神戸市中央区在住なので、
当日朝、天候の最終確認をし、出掛けることになった。
今回は上野道周辺を中心として、2006年に選定された六甲山のマザーツリーと
MuscleTurtleさんや私が、巨木・名木と思う樹を回ることとした。
摩耶山上では、マザーツリーが天狗道や天上寺にもあるので、少し足を延ばしている。
摩耶山に巨木はたくさんあるのだが、上野道から離れている場所にあるものは、今回は対象外とした。
台風一過で、予想より気温が高く、たっぷり汗をかき、長時間の山行となったが、
MuscleTurtleさんが、事前に下調べや調査をして下さったので、本当に楽しい山行になった。
本文中の、マザーツリーや巨木・名木に付いているABC表記は、本サイトの難易度にリンクしている。
簡単に解説すると、
Aは登山道上や登山道脇。
Bは登山道から外れているが、それ程離れておらず、近くまで行くのに技術的な難易度が低いもの。
Cは登山道から離れており、ルーファイが必要だったり、急傾斜地にあるもの。
尚、本レポではマザーツリーと登山道周辺にある巨木・名木を中心に解説している。
上野道・観音道・天狗道・天上寺への経路の各登山道自体の詳細は、それぞれのリンク先を参照されたい。
幹周について、マザーツリーや神戸市民の木は、
書籍「六甲山ネイチャーウォーキングガイド」(絶版)に記載されている数値や公式公表の数値を記載した。
樹の幹周だが、マザーツリーの公式数値は、地上120cm、株立ちのものは全幹周の70%となっており、
環境庁基準(リンクページのPDF参照)では、地上130cmの幹周を計測することになっている。
しかし、現地では樹が急斜面にあることが多く、なかなか基準通りには測定できなかった。
実際は地上高にはこだわらず、巻き尺を回すことができる位置で計測している。
レポ中、マザーツリーで対象の樹が違っているなど誤りがあれば、是非掲示板やメールでご教示をお願いしたい。
又、後日改めて、マザツリーのまとめページを作ろうと考えている。
同日のMuscleTurtleさんの記事はこちらをご覧下さい。
○マザーツリーツアー
地の利を生かし、違うバス停から同じ市バス18系統に乗車する方法で、MuscleTurtleさんと待ち合わせ。
摩耶ケーブル下BSで下車し、まずはケーブル駅東側にある箕岡のマザーツリーを観る。
摩耶ケーブル駅東側の道を左折する。
マザーツリーは私有地駐車場内にあるが、看板を読む限りマナーを守っての短時間の見学であれば問題ないだろう。
敷地内にはマンションもある。どこでも同じだが、大人数での訪問や話し声は、特に気を付けて頂きたい。
●マザーツリーのクス(A:幹周500cm、現在は欠番)
箕岡町の駐車場内。
(2017.09.24 追記)
山行日以降に、2006年版と2011年版のマザーツリーマップを確認することができた。
2006年版で20本選定され、2011年版では1本欠番となり19本となっている。
欠番となっているのが、上記箕岡のクスだ。
枯れているわけではなく、レポにある通り、完全に私有地にあるので、
地権者や住民と何らかのトラブルが発生し、欠番となったと考えられる。
今回、山行日時点で欠番になった事実を認識できておらず、近くで見学させて貰ったが、
トラブル防止のため、西側道路上からの見学に留めておいた方が良いだろう。
改めて上野道の登山口からスタート。
ウォーミングアップがてら、虹の駅を目指す。
ロープウェー虹の駅で休憩を取り、山上方面を目指す。
峠の茶屋手前の摩耶花壇跡。
ここに初代摩耶花壇の食堂前に植えられていたスギが残っている。
歴史の生き証人という意味では名木と言ってよいだろう。
●摩耶花壇のヒマラヤスギ2本(A:幹周私有地のため未計測)
峠の茶屋跡を越えて石段が始まる場所から斜面を左に斜行して進む。
●マザーツリーのスダジイ(書籍にはクスと記載)(B:460cm)
石段左から暫く斜面を進んだ先にある。
その後、摩耶東谷石塔にある解説版写真と今の登山道の方法が違うことに気づき探索をした。
写真写っている方向の踏み跡は上野道から青谷道に続いていた。
天上寺山門下に到着。
天上寺山門横左側にも、未来のマザーツリーがある。
太さ365cmのスギ。
参道石段を登り、摩耶山50の電柱から東方向へ入る。
●マザーツリーのスギ(B:516cm)
踏み跡を少し進んだ北側にある。
旧天上寺参道石段に戻り、旧摩耶大杉分岐かその上部の踊り場から、史跡公園の西側を石垣沿いに進む。
●マザーツリーのスギ(C:470cm)
上写真の遺物がある場所から、西側の尾根を少し下る。
●マザーツリーのスギ(A:445cm)
史跡公園敷地に戻り、三社権現側出口西側。
●マザーツリーのスギ(C:411cm)
史跡公園と三社権現の間の通路西側石垣下の谷を少し下る。
このスギは、通路からも目視できる。
史跡公園付近の確認を終えて、掬星台で休憩し、天狗道のマザーツリーを確認する。
まずは天狗道から一旦老婆谷を下り、沢の東側にある急斜面の尾根を登り返す。
この辺りで急に太ももが攣った。
急斜面なので、攣ったまま歩くと滑落しそうなので、2度の休憩と後述のマザーツリーで大休憩を取って貰った。
その後も暫く違和感があったが、天上寺から掬星台に戻る頃には回復した。
●マザーツリーのスギ(C:480cm)
そのまま尾根を登り、傾斜が緩やかになった辺り。
緩い傾斜の尾根を天狗道に戻る。
天狗道石段の写真の場所に出た。
マザーツリーのみを見に行くのであれば、ここからアクセスした方が早い。
この場所から踏み跡を進み30〜40mくらいだ。
掬星台に戻り、飲み物を調達し、ドライブウェイ経由で天上寺へ。
●マザーツリーのスギ(A:430cm)
車道から天上寺に入ったすぐの場所。
●天上寺のヤマボウシ(A:110cm×2の二又)
神戸市民の木で、本堂左奥にある壁の向こう側にある。
門扉が有り、開花時期のみ開放されている。
時間は掛かったが、予定していた樹、すべてを観ることができた。
天上寺から掬星台に戻り、ビューラインで帰路に就いた。
○今回訪問した、上記以外の巨木(いずれも急斜面等に難路に有り)
参道石段東側マザーツリーのスギ(B:516cm)から更に東の斜面にある幹周430cmのスギ。
上のスギから更に東へ斜面を下った場所にある幹周480cmモミの巨木。
史跡公園西側、マザーツリーのスギ(C:470cm)の、少し北側にある巨木(幹周未計測)。
史跡公園北、奥の院道から老婆谷斜面を下った場所にある幹周420cmのスギ。
天狗道斜面のマザーツリーのスギ(C:480cm)から更に急な斜面を下った場所にある幹周530cmのスギ。