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摩耶古道上野道



日付:2017/12/23 (土・祝)

同行者:無し

天候:晴れ

気温:7℃(掬星台 、13:30、標高約690m)

コース:摩耶ケーブル駅〜上野道登山口〜ビューライン虹の駅〜史跡公園〜摩耶山々頂〜掬星台

地形図:神戸首部

一般地図概略位置:摩耶山 

概算距離:2.8km

累積標高+:609m、累積標高−:66m

歩行時間:1時間30分、ルート係数:9.7

道迷い:特に問題箇所無し

特筆事項:無し

体力難易度:レベル1

技術難易度:Aランク



今回のテーマは「上野道見所紹介」。

山行コース図 断面図

休日も仕事と私用が入り、20日ぶりの山になった。
多忙で仕事の疲れが取れていないので、上野道の片道山行に出掛けることにした。
年末年始、友人をガイドして登る可能性があるので、 その下見も兼ねてのチョイスだ。

友人は、普段から山に登っているわけではないので、ガイドするイメージで、ゆっくり登っている。
史跡公園から先は、奥ノ院道を歩き、山頂経由で掬星台に向かうコース取りだ。

本レポは登山道途中にある見所を中心に解説している。
登山道としての詳細は、上野道奥ノ院道それぞれ解説ページを参考にして頂きたい。

今回紹介している多くの場所に、公設の解説版が設置されているので、確認しながら歩かれると良いだろう。


○摩耶ケーブル下BS〜掬星台

スタートは、市バス18系統摩耶ケーブル下駅。
上野道登山口へのアクセスはこちらのページも参考にして頂きたい。

バス停背面の植え込みに上野道登山口への案内図がある。
摩耶古道上野道01

摩耶ビューラインケーブル線は大正14年開業。
駅舎に、開業以降の写真などが張り出されている。
摩耶古道上野道03

ケーブル駅階段左側の植え込みに、十八町の丁石(町石)がある。
丁石は一丁(約109m)毎に設置された道標で、上野道の場合は旧天上寺までの道のりを示している。
上野道は丁石が多く残っているので、町石道の異名もある。

この丁石は、上野道登山口に向かう途中の住宅地にあったものが移設されている。
文安四年の刻印があるので、1447年室町時代末期、応仁の乱の20年前のものだ。
摩耶古道上野道02

登山口への坂を上ると突き当りに高齢者施設がある。
この場所は、かつて閻魔堂があった十王山光明寺の跡地である。
光明寺については、MuscleTurtleさんが詳しく解説されているのでそちらをご覧頂きたい。
摩耶古道上野道04

上野道の登山口、十七丁の丁石がある。
摩耶古道上野道05

登山口には、ハイキングコースの案内板があるので、確認しておくと良いだろう。
摩耶古道上野道07  摩耶古道上野道06

上野道の登山口付近は、五鬼城展望公園として整備されている。
この付近に居住していたと言われる豪族五鬼氏にちなむものだ。
三ヶ所展望所があり、以前は麓に近い方からA展望所、B展望所、C展望所と名付けられていた。
この展望所、古い城跡などの研究者からは、摩耶山城の砦、上野塞の跡と言われている。

五鬼氏については、登山道の西側山中に解説版があり、以下の通り記載されている(写真は以前撮影したもの)。
摩耶古道上野道47

五鬼城之由来

昔この地に五鬼氏と云う豪族が住んでいた。
祖頃この辺りは昼尚鬱蒼たる大森林に覆われていた。
この自然の要塞を砦として外敵のしばしばの襲来にも一度として敗れた事なく、
従って一族は益々隆盛を極めて繁栄したものである。
当時この付近に住む土着民達の暮しは大変貧しく
「病気貧乏ふしあわせ」等で苦しむ人々が多く実に憐れな生活であった、
此の姿を見た五鬼氏は五情の戒めを説いて幸せの道として多くの人々の救済に尽くされた。
この素晴らしい威徳を讃えて永くこの地の守護神とされたが、
今日では僅かに五鬼城の名称のみ残されているにすぎない。

五鬼城講

登山口からひと登りすると、十六丁石の場所に分岐があるので、右方向に進む。
左の石段を上がって左側に展望所がある。
摩耶古道上野道08

少し進んだ鉄棒のある広場は右側に進む。
摩耶古道上野道09

続いて2箇所目の展望所がある。
景色をみるなら、この展望所が良いだろう。
摩耶古道上野道10

更に進み、ベンチがある十三丁石。
摩耶古道上野道11 摩耶古道上野道12

登山道には所々、古い石段や石垣の跡が残っている。
摩耶古道上野道13 摩耶古道上野道14

虹の駅との分岐で直進。
摩耶古道上野道15

暫く進むと、廃屋が残っている。
この大きな廃屋、用途不明だが、この付近に民家があった記録もあるようだ。
廃屋付近の斜面に残る建物の残骸は、この付近にあったバンガロー村のものだろう。
摩耶古道上野道16 摩耶古道上野道17

開けた場所に出る。
展望所は百万弗展望台(のちの千万弗展望台)の跡。
摩耶古道上野道18

ケーブル虹の駅。
この駅舎、塗装や屋根は変わっているが大正14年開業当時のものだ。
摩耶古道上野道19

立ち入りは禁止になっているが、駅舎向こう側から僅かに廃墟として有名な、
摩耶観光ホテルの屋根を確認することができる。
摩耶観光ホテルについては、こちらのサイトで詳しく解説されている。
摩耶古道上野道20

ケーブル駅からロープウェイ駅に向かう途中の平地は、かつてこの付近にあった茶屋の跡。
摩耶古道上野道21 

ロープウェイ駅にはトイレがある。
駅舎内には、摩耶山々頂にあった奥摩耶遊園の当時の写真などが掲載されている。
摩耶古道上野道22

ここから先は、旧天上寺への参道の雰囲気が強くなる。
摩耶古道上野道23

高尾明神社横を越える。
摩耶古道上野道24

摩耶花壇跡。
かつてこの場所にあった、食堂や宿泊施設を備えた施設があり、のちに茶屋が建てられた。
残っている廃屋は茶屋時代のものだ。
摩耶花壇については、こちらのサイトで詳しく解説されている。
摩耶古道上野道25 摩耶古道上野道26

初代摩耶花壇は、斜面に建設されており、正面から見ると地下部分にも建物があった。
地下のコンクリート遺構が現存している。
摩耶古道上野道27

少し進むと峠茶屋跡。
この付近が鎌倉幕府討幕に挙兵した赤松則村(円心)の摂津摩耶山城の跡と言われている。
築城は元弘3年(1333年)と伝えられている。
摩耶古道上野道28

三丁石と宝篋印塔
摩耶古道上野道29 摩耶古道上野道30

T字路で青谷道と合流する。
摩耶古道上野道31

その先にも茶屋の跡。ラムネなどを冷やした「アメヤ」と彫られた遺物が残っている。

摩耶古道上野道32

旧天上寺仁王門。
仁王像は現天上寺の本堂に安置されている。
屋根は茅葺だったが老朽化が進み撤去されている。
摩耶古道上野道33

参道石段を登る。
摩耶古道上野道34

参道脇には、かつて塔頭や宿坊が建っていた。 石垣はその名残だ。
摩耶古道上野道35 摩耶古道上野道36

旧摩耶の大杉の道標地点から左に少し進むと、既に枯れてしまっているが巨木がある。
摩耶古道上野道37 摩耶古道上野道48

史跡公園。
昭和50年1月30日放火で焼失するまで天上寺があった場所だ。
摩耶古道上野道38

史跡公園出口左側に三又に分かれた杉の巨木がある。
摩耶古道上野道39

三社権現跡の分岐は、左方向の奥ノ院道に進む。
摩耶古道上野道40

所々に残る石窟は、先ほどの分岐から山頂をを経て一周する八十八カ所巡りの跡。
摩耶古道上野道41

赤松則村(円心)の公碑。
摩耶古道上野道42

山頂直下に旧天上寺奥ノ院跡がある。
摩耶古道上野道43

奥ノ院跡から右方向に進むと、磐座「天狗岩」が祀られている。
摩耶古道上野道44

天狗岩の向こう側に摩耶山々頂の三角点がある。

摩耶古道上野道45

三角点から左方向に下り、舗装路を右に進むと掬星台に到着する。
摩耶古道上野道46

掬星台を含む、摩耶山上の解説はこちらのページをご覧頂きたい。

掬星台から、まやビューラインで帰路に就いた。


○山行諸データ


△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)

11:40 摩耶ケーブル駅
11:43 上野道登山口
12:00 十三丁石
12:22 ケーブル虹の駅
12:33 峠茶屋跡
(摩耶東谷探索5分)
12:38 峠茶屋跡
12:56 史跡公園
13:11 摩耶山々頂
13:15 掬星台

△高度計校正ポイント(詳細情報は六甲山系と一部の山域のみ)

133.8m 桜トンネル北交差点(まやケーブル駅東)
227.1m 五鬼城山展望広場B(展望台の2段になった上段側)
546.1m 旧天上寺山門下
614.8m 史跡公園
690.1m 掬星台


△エスケープルート

虹の駅→まやビューライン虹の駅
摩耶山上→まやビューライン星の駅、六甲摩耶スカイシャトルバス

※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)


△スタート地点付近情報

トイレ:摩耶ケーブル駅
コンビニ:無し
飲料自販機:摩耶ケーブル駅付近


△コース途中情報

トレイ:ロープウェイ虹の駅・掬星台
飲料自販機:虹の駅・掬星台


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