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奥摩耶探訪 



日付:2017/03/18 (土)

パーティ:MuscleTurtleさん、私 計2名

天候:晴れのち曇り

気温:7℃(摩耶山々頂 、12:00、標高約702m)

コース:ビューライン虹の駅〜史跡公園〜奥の院道〜摩耶山々頂〜掬星台〜天上寺〜自然観察園〜掬星台

地形図:神戸首部

一般地図概略位置:摩耶山 

概算距離:4.0km

累積標高+:457m、累積標高−:221m

歩行時間:2時間06分、ルート係数:9.7

道迷い:今回経由した寄り道は要注意

特筆事項:無し

体力難易度:レベル1

技術難易度:今回経由した寄り道はCランク

※今回は寄り道や歩いてる途中も探索しているため、累積標高や歩行時間は正確ではありません。



今回のテーマは「意外と見ていません」。

山行コース図 断面図

今回は、MuscleTurtleさんとパティー行。
MuscleTurtleさんとは街では一度会ったことがあるのだが、山は今回が初めてだ。
お互い神戸市中央区在住で、摩耶山をホームグランドに歩いており、
歴史を絡めた山歩きも多いということで、
今回は摩耶山で旧天上寺の遺構などを探索することとなった。

探索にたっぷり時間を取るために、スタートはビューライン虹の駅。
寄り道をしながら、旧天上寺から摩耶山々頂を目指す。

タイトルの「奥摩耶」だが正確な定義は多分無いと思うが、
私は、各種過去文献などから、天上寺より山頂側を指す意味と捉えている。

今まで何十回も歩いている摩耶山だが、じっくり時間をかけて探索するのは初めて。
山行前にMuscleTurtleさんとやり取りしていた大きな遺構は発見できなかったが、
小さな発見や、今まで見過ごしていたもの、気が付かなかったものもあった。

摩耶山のコアな話が通じて、藪道も全く問題ないMuscleTurtleさんと探索はなかなか楽しい経験になった。

尚、同日のMuscleTurtleさんのレポートはこちら



○ビューライン虹の駅〜ビューライン星の駅

スタートはビューライン虹の駅。
この駅舎も大正時代の建築である。
奥摩耶探訪01

ロープウェー虹の駅側から旧天上寺を目指す。
奥摩耶探訪02

天上寺山門下から、まずは私が下調べで気になったピーク(リンクの矢印位置)を確認するため、上のアメヤの茶屋跡奥の道へ進む。
奥摩耶探訪03 奥摩耶探訪04

少しルーファイをして該当のピークに到着するが、特に遺物は無し。
旧天上寺の火事から41年だが、ピークには確実に41年以上前からありそうな立派な木も生えていた。
奥摩耶探訪05

探索したピークから引き返す途中に、
山腹に続く踏み跡(地形図の@から北西に向かう線)があったので、確認することにした。
奥摩耶探訪06  奥摩耶探訪07

踏み跡は暫く続いたが、小さな沢で消滅したので、登れそうな尾根を這い上がった。
帰宅後、地形図を確認すると、東側にある摩耶東谷にダムが複数あった。
踏み跡は、このダム工事の作業道かも知れない。

次は摩耶大杉へ。
大杉手前の五右衛門風呂、じっくり見るのは今回が初めて。
奥摩耶探訪08

摩耶大杉には、丑三つ参りの五寸釘の跡があるという話。
確かに穴は開いているが、それが五寸釘によるものかは不明。
奥摩耶探訪09

大杉からそのまま引き返さずに、北側斜面を登る(地形図のA)。所々に旧天上寺の遺物があった。
奥摩耶探訪10 奥摩耶探訪11

史跡公園に到着。
いつも思うことだが、天上寺の敷地は結構狭い。
天上寺は、最盛期には3000人の僧を擁した寺と伝えられている。
仮に僧坊が一人一畳のスペースだったとしても、
3000人が居住するには、約105m×53mのスペースが必要だ。
オリンピック規格の水泳プールが50m×25mなので、このプールが4つ必要になる。
本堂などの伽藍は僧の居住場所ではない。
天上寺では参道石段の両側に、塔頭や僧坊があったが、
参道の両側だけでは、とても3000人は暮らせないように思う。

あくまでも推測の話だが、
旧天上寺山門から更に下部、虹の駅や峠茶屋跡の辺りは、
赤松円心こと赤松則村の摂津摩耶山城の跡とされている。
一説には摩耶山城=天上寺とも言われているので、
最盛期には、虹の駅辺りまで僧坊や寺の施設が広がっていて、
焼失前直前の天上寺より、敷地が広い寺だったのかも知れない。

史跡公園から三社権現跡へ。
三社権現跡だが何十回と通過しているが、石段を上って確認するのは今回が初めて。
石段の上には、瓦や灯篭と思われる石柱などがあった。
写真の石柱、逆さまになっているのだが、文政4年(1821年)と刻まれていた。
奥摩耶探訪12 奥摩耶探訪13

赤松円心の石碑の左側にしっかりした踏み跡がある(地形図のB)ので確認する。
この付近に池があったらしく、それが奥摩耶遺構の弁天池の可能性もあるのだが、それらしい跡は発見できなかった。
奥摩耶探訪14 奥摩耶探訪15 奥摩耶探訪16

踏み跡の途中に、人工的な石や、木造の何かを解体し板をまとめたものはあったが、何であったかは不明。
奥摩耶探訪17 奥摩耶探訪18

奥ノ院に到着。

写真右下の真ん中が少し凹んだ石は、こちらのサイトの奥ノ院写真のお堂右下にある石だと思われる。
奥摩耶探訪19

摩耶山頂付近、時間をたっぷり掛けて探索した。

三角点と天狗岩大神・石丸猿田彦大神付近以外、既知のものも含めて、今回探索した遺物は以下の写真の通り。
おおよその位置はこちらの地形図を参照。

A:奥の院北側の倒壊した石造り構造物群
奥摩耶探訪22

B:人工的に堰き止められた池
奥摩耶探訪20

上記の池付近にあるダム。ダムはオーバーフローした時用の切れ込みがあるが、
上の写真は切れ込みが無く一直線。
奥摩耶探訪21

C:コンクリート製建物の基礎。以前この付近にあったとされるユースホステル関連のものかも知れない。
奥摩耶探訪23

D:観音道近くの斜面にあった石仏。
奥摩耶探訪24

E:観音道すぐの場所あった鳥居の跡。右写真(2枚目写真)は鳥居の柱、朱色が残っている。
奥摩耶探訪25 奥摩耶探訪26

F:六甲工業高校の石碑。天狗道から掬星台に向かう舗装路脇にある。
何度も歩いているが今まで気づかなかった。
奥摩耶探訪27

山頂探索中、やけに観音道を登り下りするハイカーが多い。
付近をみると、阪急ハイキングの張り紙があった。
他のハイカーさんが、阪急ハイキングのスタッフに参加者の人数を聞いているのが耳に入った。
なんと、参加者数1200人だそうだ、驚きの人数。

探索が終われば、ビューラインで下山する予定だったが、
阪急ハイキングのリタイヤ組などで、ビューラインの混雑が予想されたので、
少し時間を外すため、奥摩耶遊園跡や天上寺・自然観察園を回った。

掬星台に戻ると阪急ハイキングのスタッフも居なくなっていたので帰路に就いた。
リュックサックマーケットが開催されていたので、ビューラインはそれなりに混雑していた。

下山後スマホで確認すると、阪急ハイキングは、
青谷道から観音道を登り掬星台で折り返し、観音道から上野道を下るコースだったようだ。

MuscleTurtleさんとは、秋の再会を約束し、三宮方面に向かうバスの中で流れ解散となった。


○山行諸データ


△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)

10:08 ビューライン虹の駅
10:20 旧天上寺山門下
10:57 史跡公園
11:27 摩耶山々頂
(探索87分)
12:54 摩耶山々頂
13:01
 海の丘
(休憩37分)
13:38 海の丘
13:41 掬星台
(休憩7分)
13:48 掬星台
14:03 天上寺
14:18 自然観察園
14:25 掬星台(ビューライン星の駅)


△高度計校正ポイント(詳細情報は六甲山系と一部の山域のみ)

456.1m 百万弗展望台跡
546.1m 旧天上寺山門下
614.8m 史跡公園
690.1m 掬星台
694.3m 天上寺境内


△エスケープルート

無し(スタート・ゴールがビューライン駅)

※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)


△スタート地点付近情報

トイレ:ビューライン虹の駅
コンビニ:無し
飲料自販機:ビューライン虹の駅


△コース途中情報

トレイ:掬星台、天上寺
飲料自販機:掬星台


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