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須磨名水の森・須磨アルプス
日付:2010/09/29 (水)
同行者:無し
天候:晴れ時々曇り
気温:20℃(栂尾山頂 、13:55、標高約274m)
コース:山陽東須磨〜水野町〜須磨名水の森〜栂尾山横尾山間縦走路〜栂尾山〜天皇池〜栂尾山〜須磨アルプス〜東山〜板宿八幡〜山陽板宿
地形図:須磨・(神戸南部) ※神戸南部は板宿駅市街地周辺
一般地図概略位置:須磨アルプス
〔ファミリー向けコース〕
概算距離:6.6km
累積標高+:450m、累積標高−:452m
歩行時間:2時間14分、ルート係数:10.8
道迷い:東山以東は分岐多し
特筆事項:無し
体力難易度:レベル2
技術難易度:Aランク
〔後半解説ルート〕
技術難易度:Cランク
今回のテーマは「須磨名水の森、再び」。
去年の同時期にも登った須磨名水の森へ出かけた。実は山行と言うよりは山域調査だ。
主目的はファミリーで歩けて、子供が楽しめるようなルートを選定すること。
ただそれだけでは私自身は楽しくないので、前年須磨名水の森で点いた疑問符の解消も合わせて行った。
調査が主目的なので多少行ったり来たりしている。
名水の森入口から、まずは天皇池経由で縦走路に出て、そこから栂尾山経由で先ほど通った天皇池まで同ルートを往復、
須磨アルプスから東山を通って板宿八幡に下山するコースを歩いた。
山行ルート全体で断面図を掲載してもあまり意味が無いので作成していない。
行ったり来たりしているので、本文中のコースタイムは所要時間で記載している。
実際は東須磨12:00スタート、板宿15:35到着、途中休憩10分の行程だった。
今回は山行記録を前後半2つに分けた。
前半は、ファミリー向けコースの解説。
ファミリー向けと言っても、一般登山者でも縦走路須磨スタートや高倉台400階段を経由せずに須磨アルプスに向かうルートとして利用できる。
解説はファミリー向けに普段より多少詳しく解説している。
後半は、去年の疑問符が解消したのでそのルートを解説、こちらは一般登山者向けの通常解説とした。
○須磨名水の森・須磨アルプス
西六甲山域でファミリー向けのコース取りを考えた、名付けて「横尾アドベンチャーコース」。
捻りも何も無いストレートな命名、今時の子供には鼻で笑われるかもしれない。。。
まずは前提条件。
対象は小学校高学年以上、引率者のうち1名以上はハイキングや山登りに精通している事。
須磨アルプスは小学校高学年程度の遠足地であることから年齢設定した。
対象者を絞ってガイドするという視線で山に登ると普段とは違った見方ができる。
可能であれば引率者が事前に下見しておく方がベター。
ハイキング経験の無い保護者が思い立ったように連れて行けるコースではない。
尚、弊サイトトップページ注意事項の一番に書かせて頂いているように、
弊サイトを参考にされて生じた結果に関しては当方は責任を取れない。
本ページ記載内容を吟味し、引率者・同行者の年齢経験などから可否判断をお願いしたい。
この行程を実際歩いた場合も、無理だと思ったら引き返したり、途中下山するなどエスケープも検討事項として欲しい。
コース選定のコンセプト。
山の魅力をコンパクトに詰め込んだコース取りとなっている。
コースは主に4つの部分に分けられる。
まず最初は須磨名水の森。水と触れ合え、簡単な渡渉や谷の中腹トラバースなど、沢筋歩きが楽しめる。
次は栂尾山登山道、150m程度一気に高度を上げる、本来の汗をかいて登る山登りだ。登り切った頂上には展望台があり景色も楽しめる。
三番目は須磨アルプス馬の背、岩に登ったり下りたり、細い岩の峰を渡ったり、ちょっとしたアルペン気分を味わえる。
最後は板宿方面の登山道。登山で怪我の多いのが下山中、しっかり整備された登山道を通って下山する。
帰宅後、どこが楽しかったか確認すると、次回以降のコース選定の参考にできると思う。
公共交通手段、マイカー利用、どちらでも対応できるよう、同一路線鉄道駅起終点のコース設定となっている。
マイカーの場合、板宿に車を止めて東須磨まで山陽電車で移動しスタートする事を想定している。
今回コースの注意点。
登山口から約30分は沢筋の道、流れている天井川は流域面積の狭い川だが、大雨直後は増水、落石、土砂崩れ等の可能性があり危険だ。
横尾山は山上に人の営みがないので、沢の水は比較的綺麗だが生では飲まない方が良いだろう。
谷筋は道幅の狭い部分があり、須磨アルプス馬の背は歩ける程度しか道幅が無く両側は切り立った崖の尾根道となっており
慎重に足を運べば問題無いが、ふざけて歩けば滑落する。
コースには地質的に脆い部分があるのでシューズのグリップには注意が必要。
底がツルツルのシューズでは確実に滑って転倒する。
子供の年齢や経験を考慮し、名水の森で登山道の狭い部分、横尾山先の急な下り、須磨アルプスでは、
補助や手助け、場合よっては確保を検討する必要がある(←この判断ができる引率者が必要です)。
休憩ポイントは何箇所もあるが、昼食を取れるような広い場所は少ない。
コース途中にはトイレが無い。
分岐や滑落転落危険箇所も多いので、子供だけの先行は絶対に避けて下さい。
では、メインのコース案内。
山陽電車東須磨駅からスタート。
尚、登山口までは距離だけなら月見山駅から向かった方が300m程短くなる。
東須磨駅からの経路南側は山陽電車の線路になっており、道幅も広く歩き易い。
開けた道路なので、大人数パーティや多少子供が騒いでも気になりにくいので東須磨起点としている。
少しでも歩く距離が短い方が良い方は月見山駅からのスタートで問題無い。
月見山駅からは北側の住宅地内を北に向かえば大通りに出るので、右折すれば後述の高速高架が見える。
須磨離宮公園を目標にして本園入口に向わないように、目標は植物園東口方面だ。
北口を出て線路沿いを真っ直ぐ歩いて行く。
高速(阪神高速・第二神明、月見山ランプが分岐点)高架下の道路を右折、歩道橋のある交差点の横断歩道を渡る。
横断歩道を渡った所が須磨離宮公園植物園、左側の高架下道路に回り、天井川の橋を渡る。
上記の橋から、高架下天井川沿いの2車線道路を更に600m程進む、進行方向左側に須磨名水の森の入口がある。
入口を入った所に広場があるので、山支度を整えてスタート。
最初は歩き易い遊歩道だが、すぐに山道になる。
一登りして水野第二堰堤を越える。ここで子供に砂防堰堤の解説をしても良いだろう。
地形図上のA指導標の分岐、ここは栂尾山・横尾山方面に向かう(須磨アルプス馬の背方面では無い)。
この辺りから沢筋の道になる。
目印として途中水野第六堰堤を越える。
更に沢筋を進む。
B指導標の分岐、ここは離宮公園北口方面に向かう(写真右の栂尾山・横尾山方面では無いので要注意)。
有料と書かれているが、須磨離宮公園には入園しない。
上記分岐から、栂尾山・横尾山方面に10m程度進んだところに天皇池がある。
あまり広くないがちょっとした休憩スペースがある。
離宮公園北口方面、本格的な登りになるのでゆっくり、途中休憩を入れながら登る。
須磨離宮公園との分岐を栂尾山方面に進む。
まだまだ登りは続く。
高倉台・鉄枴山と書かれた指導標が現れれば間もなく、栂尾山々頂。展望台があるので休憩できる。
栂尾山は相場取山とも呼ばれていた。
金鳥山−諏訪山−高取山−栂尾山−旗振山と続く、江戸中期から大正時代まで、大阪堂島の米相場を旗を振って伝えた旗振山の一山。
畳一畳くらいの旗を振って、20倍程度の望遠鏡で覗いて伝えていたそうだ。大阪から広島まで40分で伝わったらしい。
(出典:神戸新聞記事)
栂尾山々頂から、横尾山々頂を目指す。前段の登りよりやや滑りやすい地質になっているので注意。
一旦下って登り返すと横尾山々頂。
山頂には二等三角点「須磨」318.02mがある。ここで子供に三角点や三角測量について解説すれば良いだろう。
横尾山から下ると「この先は風化が激しい」との看板に出合う。
看板から先は鎖場もある急な下りになるので慎重に下りる(個人的には本コースで一番の危険箇所だと思う)。
急な下りを過ぎれば須磨アルプス。
須磨アルプスは人気のある場所だが、ハイカーが普通に歩けば5分程で通過できる短い区間だ。
難易度の高い岩場ではないが、登山靴でない方はスリップしないよう慎重に歩く必要がある。
途中「名勝馬の背」の標柱。
須磨アルプス後半の尾根歩き。
須磨アルプスが終わり、少し登り返してベンチのあるピーク。
下山コースに向う、この先は分岐に気をつけて歩く。
まずは分岐A東山のピーク、ここは指導標に何も書かれていない直進方向に進む。
ここで間違えって左方向へ進むと横尾のA地点に下山する(地形図参照、以下同様)。
パーティ内に疲れているメンバーがいる場合はここで横尾に下山するのが良い。
ここで下山すると徒歩圏内に、神戸市バスの横尾2丁目バス停(1停留所先が地下鉄妙法寺)や地下鉄妙法寺駅(板宿に向かえる)がある。
下山する可能性がある場合は事前にこの付近の地図を調査しておく必要がある。
この左折路は六甲全山縦走路なので、弊サイト全山縦走路専用ページの記述も参考に。
歩き易い道を進む。
下山路の分岐で次の分岐Bが一番判り難いの要注意。
分岐Bの手前で鉄塔の左側を通過する。その先の小さなピークを越えれば右側に注意を向ける。
写真の地点が分岐B、ここを右折する。
間違えて直進すると横尾のB地点に下山する。
この分岐以前は私設の道標があり(リンク写真は逆方向矢印の先から撮影している)判りやすかっただが、
今は道標は無いので見落とさないようにする。
どんどん道幅も広くなり歩き易くなっていく、ベンチのあるピークを越える。
道標のある分岐C、矢印方向に進む。この分岐は写真中央奥の道に進んでも次の分岐Dで合流できる。
写真中央奥の道が少し遠回りをしている。
暫く下ると前方が開けた広場のような場所に出る。
広場が分岐D、ここには私設の道標があるので右方向の板宿八幡方向に進む。
写真中央奥に進むと禅昌寺のD地点に下山する。
しっかり手入れされた道になる。
分岐Eに出る、ここは道標がある。ここで間違えるとEの勝福寺方面に出る。
さらに下ると登山道左側は私有地フェンスのある道になる。
最後の分岐F。ここを間違えると板宿八幡は通らず、市街地奥のFに下山する。
板宿八幡に下山する。板宿八幡にはトイレ(市民トイレ)がある。
参道を降りて住宅地を通り、板宿駅に向う。
山陽電車板宿駅でゴール。
前述の参道から住宅地を通るコースはやや判りにくいので、別コースも紹介しておく。
下記写真は前回板宿駅から板宿八幡に向かった時の写真を流用したものだ。
参道を降りはじめてすぐに左に入る坂がある、ここを下ると写真の配水タンク横に出る。
右側にある階段を降りる。
写真の場所に出るので、右折し道なりに進めば板宿駅だ。
(山陽板宿から板宿八幡 青線)
より大きな地図で 横尾山・須磨アルプス周辺 を表示
下山時に住宅地に迷い込んだ場合、写真のダイエー板宿店を探すと良い、大きい建物なので見え易い。
写真右下側横断歩道側の道を200m先程道なり進み左折した先が板宿駅だ。
○山行諸データ
△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)
全行程所要時間2時間50分
山陽東須磨
15分
須磨名水の森入口
10分
A指導標
7分
B指導標
8分
須磨離宮公園分岐
24分
栂尾山々頂
20分
横尾山々頂
17分
須磨アルプス「名勝馬の背」標柱
12分
東山々頂
22分
禅昌寺方面分岐広場
15分
板宿八幡宮
20分
山陽板宿駅
所要時間は一般登山者の歩行タイム。
小学生高学年程度なら1.2倍〜1.5倍+休憩時間を目安に、日没の2時間程度前には下山できるプランで。
△高度計校正ポイント(詳細情報は六甲山系と一部の山域のみ)
065.9m 須磨名水の森入口
270.9m 栂尾山々頂
312.1m 横尾山々頂
△エスケープルート
須磨離宮公園分岐→離宮公園(有料)から山陽電車等まで徒歩
栂尾山々頂→高倉台からバス等
東山々頂→縦走路経由市街地から妙法寺方面
※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)
△スタート地点付近情報
トイレ:東須磨駅構内
コンビニ:駅付近には無し
飲料自販機:市街地部分多数
△コース途中情報
トレイ:下山地点の板宿八幡まで無し
飲料自販機:無し
○天皇池から縦走路方面、正規ルート
前回このルートを歩いた時に帰宅後、疑問を感じた点があった。
折角同山域を歩くので、再探索を行った。
今回の山行で名水の森入口に書かれたルートだと思われる道を歩く事ができた。
前回歩いた、沢を遡行するルートは別ルートと言う事になる。
全体的なルートに関しては、本山行記録前半や前回の記録も参照して頂きたい。
まずは名水の森を案内板や地形図に従い天皇池を目指す。
天皇池からはやや道は荒れた部分もあるが更に上流へ進む。
1/10000地形図や前回山行記録に書いた道標の無い二俣、右俣右岸に踏み跡がある。
堰堤を巻くように進む。
堰堤上部に降りた地点。木の青いペイントが目印。
前回はこの沢を上流に遡行して、1/25000地形図のC地点で縦走路に合流した。
堰堤端に降りた地点から10m強進んだ、左岸斜面に薄い踏み跡が尾根に続いている。
写真中央に写っている木に黄色のテープもある。
尾根に乗ると登り下り両方に踏み跡があったのでまずは下りを確認した。
前述の木の青いペンキは堰堤を巻いて堰堤右岸端に出るのだが、その反対側左岸部分に取り付きがあった。
写真では判り難いが青丸内にトラロープが張られている。
取り付きは判明したので尾根を進む。
道の先には楽しい尾根道が続いていた。似た雰囲気で言うと摩耶山の行者尾根のような道だ。
尾根を登り詰めると分岐で出たが縦走路ではないようだ。
まずは進行方向右(写真下側矢印方向)を調べた。
ここは歩き易い道だ。
縦走路に合流した。1/25000地形図のA地点だ。
掲載した1/10000地形図に描かれた徒歩道線、堰堤上部の尾根の取り付きからはほぼ正しい。
1/10000地形図の徒歩道線が縦走路と合流しているのはこの地点だと思われる。
先ほどの分岐に戻り反対側も探索。斜面が崩れた地点もあるがそれ程危なくない。
縦走路に合流した。あの水野町道標地点だ!
昨年点った疑問符は無事解決した。
やはり、須磨名水の森入口案内板に書かれていた登山道線は、私や多くの方が遡行した沢筋の道ではなかった。
ただしこの尾根、最初は登りで利用して頂きたい。
2箇所程紛らわしい枝尾根があり、尾根の両側は急峻な場所もあった、間違って入り込むと危ない。
難易度が高い事を考えると、この「水野町」の道標は外すか、比較的判りやすい去年歩いた沢筋の道の方につけるべきだと思う。
経験の浅い方が下り利用で気軽に入っていけるような尾根では無いので注意して頂きたい。
水野町に向うなら一番安全なのは栂尾山々頂から天皇池に出る道、次は須磨アルプス馬の背からの道だ。
後日追記:
何気なく、ネットで他の須磨名水の森に関するページを見ていて、ある事実に気づいた。
私は「須磨の名水」と呼ばれる堰堤の水場を見ていない。。。
名水の森入口地図やネット上の情報からすると、この章最初の1/10000地形図に記載した「道標の無い二俣」の「道」の字南側にある堰堤のように思える。
だとすると側を通っているの完全に見落としている事になる、
また次回この「須磨の名水」を確認する必要がありそうだ。
△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)
須磨名水の森入口
17分
天皇池
5分
道標の無い沢の分岐
8分
尾根道取り付き
15分
縦走路合流