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熊野古道(赤木越・大日越)
日付:2010/04/13 (火)
同行者:1名 計2名パーティ
天候:くもり時々晴れ
気温:未計測
コース:発心門王子〜船玉神社〜赤木越〜湯の峰温泉〜大日越〜熊野本宮大社
地形図:発心門、伏拝、本宮
一般地図概略位置:赤木越・大日越
概算距離:10.3km
累積標高+:699m、累積標高−:926m
歩行時間:4時間、ルート係数:17.8
道迷い:特に問題箇所無し
特筆事項:無し
体力難易度:レベル2
技術難易度:Aランク
今回のテーマは「ゆっくり静かな古道歩きを楽しめました」だ。
時間を作って熊野三山へ旅行に出かけた。
折角熊野まで行くので、日程の一部に古道歩きを組み込んだ。
今回のコースは熊野古道中辺路の赤木越・大日越。
春日山原始林に続き、世界遺産シリーズ第2弾だ。
熊野古道の説明は、数多の詳しく解説されているサイトにお任せするとして、
簡単に今回のコースを解説する。
熊野古道は各地から熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)への参詣ルートの事だ。
その中で紀伊田辺から東へ進み熊野本宮大社に向かう道が中辺路で今回はその一部分を歩いた。
中辺路を紀伊田辺から東に向かうと後半途中に三越峠がある。
メインルート(本街道)は三越峠から発心門王子を経由し本宮大社に向かう。
今回歩いたのはサブルート(裏街道)となる三越峠から赤木越で湯の峰温泉を経由し大日越で本宮大社に向かうコースである。
ただし、赤木越の三越峠から途中までが災害で通れなくなっているので、
三越峠の東にある発心門王子からメインルート(本街道)を紀伊田辺方面に30分程引き返し
船玉神社から赤木越に合流するコース取りとなっている
(赤木越は世界遺産には登録されていない)。
もっと簡単に言うと「熊野古道で本宮大社手前の人気コースのサブルートを10Km程歩いた」と言う事だ。
尚、中辺路で聖域の始まりと言われてる滝尻王子から熊野本宮大社まで歩いた場合は通常丸2日かかる。
山行記録中、「王子」と言う言葉が出てくるが、
「王子」とは熊野権現の御子神を祀り、信仰の道を繋ぐため参詣道途中に設けられた分社の事で、
「九十九王子」と言われるくらい沢山あったようだ(実際昔は99以上あった、「九十九」は単に沢山ある事の例え)。
中辺路ルートの詳細は熊野古道ウォークのサイトが詳しい。
私もこのページのコースガイドをプリントアウトして持っていった。
熊野古道は全体にしっかり道標が整備されており、日頃から山に登っているハイカーならまず迷う事は無い。
今回のコースは一部で展望の開ける場所はあるが、大半が樹林帯歩きだ。
○発心門王子〜湯の峰温泉
前夜、JR大阪駅前から高速バスで紀伊田辺まで行き宿泊。
翌朝6:31紀伊田辺駅前発の龍神バスに乗り、今回山行の出発地点になる発心門王子(バス終点)まで約2時間のバス旅だ。
一般路線バスなのだが、距離が長いので途中トイレ休憩がある。
写真はトイレ休憩地点で撮影したもの。
乗客は殆どがハイカー。
ドライバーが古道に詳しい方でちょっとした古道の情報や、各ルートの出発点の場所説明をバス車内でしてくれた。
市街地を抜けると殆ど信号も無いのでバスは観光バス並みのスピードで走る。
都心のバスでは考えられないようなスピードだ、それでも到着は定刻だった。
終点まで乗車したハイカーで私達以外のパーティーは本街道を本宮方向に向かわれた。
出発地点は発心門王子(本宮方面に3分程歩いたところにトイレがある)。
まずは中辺路を猪鼻王子(紀伊田辺方面)に向かう。
道標はしっかり整備されている。
このページ見出し部分で紹介したサイトのガイドマップには道標番号も記載されている。
途中、船玉神社まで一部林道歩きがある。車は一台も来なかった。
船玉神社までの行程の半分強で猪鼻王子。
さらに林道を進むと船玉神社に到着する。
ここから中辺路を離れ、赤木越に入る。
写真右端の建物がトイレ。ここから湯の峰温泉までトイレは無い。
道標に従い山道に入る。
前日(12日)まとまった降雨があった影響か、
沢に近い登り始めの登山道にはサワガニがいっぱい、水がキレイなのだろう。
尾根筋まで一気に登る、高度で150m強。
丸木階段はあるが急な登りだ。
傾斜が緩やかになれば間もなく尾根筋に出る。
尾根筋に乗る地点、写真上方からくる踏み後が三越峠から来る元の赤木越なのだろう。
ここから快適な尾根筋(実際は尾根上ではなく、僅かに尾根を外してアップダウンの少ない歩き易い道になっている)歩き。
四等三角点「大山小谷」(地形図には未掲載、ウォッちずでは確認可)。
登山道横のピークに5m程登った位置にある。
快適な道は続く。
赤木越は脇道が多いが、紛らわしい分岐には写真のような看板が立っている。
どんどん進む、右写真(2枚目写真)のような道標が11箇所にある。
なべわり地蔵(登山道沿い)と三等三角点「鍋割峠」(登山から少し外れたピーク上)。
雨後で路面の状態を心配していたが、一部を除いて全く問題無い。
なべわり地蔵の先で、少し展望が開ける。
歩き易い道がまだまだ続く。
特徴は少ないが番号付き道標とガイドマップで進み具合は確認できる。
柿原茶屋跡(写真の建物は廃屋)に到着、何度か曲がるが道標が有り迷う事は無い。
柿原茶屋跡から一登りすれば、また歩き易い道になる。
四等三角点「足谷」、この三角点は登山道脇にある。
「足谷」三角点付近は展望が良いので、少し早いが昼食休憩とした。
「足谷」三角点を越えると湯の峰温泉に向けて展望の良い下りが始まる。この付近で少しだけぬかるんでいる部分があった。
再度樹林帯を暫く歩くと、温泉街の町並みが見えてくる。
住宅脇の細い石段を降りれば、温泉街に出る。
○湯の峰温泉〜熊野本宮大社
赤木越の下山口から車道(R311)を越えた、石橋が大日越の取り付きになる(取り付きにトイレあり)。
湯の峰温泉街を離れ、山道に入っていく。
大日越も赤木越え同様、最初は急な登り坂だ。
大日越の道標は発心門王子付近にある道標と同じ世界遺産系の立派なものだ。
急な登りが終われば、歩き易い水平道になる。
ヤッホーポイントと鼻欠地蔵。
水平道区間は短く、すぐに下りに変わる。
この辺りに四等三角点「大日山」があるのだが、登山道から離れているので探索しなかった。
月見ヶ丘神社、もうこの辺りでは国道を通る車の音が聞こえる。
どんどん下っていく。
市街地が見えれば、大日越も終了だ。
大斎原(旧社地)を通り、熊野本宮大社に到着。
ここで、山行モードは終了。
赤木越・大日越では2名パーティーの外人さんに出会っただけだった。
○熊野三山(山行その後、時系列)
熊野には「権現」という神仏習合の思想があったり複雑なので祭神等の詳細は熊野三山のページをご覧頂きたい。
熊野本宮大社。
熊野本宮大社の神門から先では原則写真撮影禁止。
但し、社務所で許可を貰い個人利用(ネットやブログでの公開は×)なら撮影可。
私は許可を取って撮影させて貰った。
本宮大社からバスで1時間強、新宮市内まで移動。
熊野速玉大社。
神倉神社の参道、ご神体の巨石、新宮市街地と熊野灘の展望。
神社に興味の無い方もこの神倉神社はオススメだ。
まずは538段の石段、特に下部200段は急な部分が多く殆ど崖のような部分もある。
ネットで検索してみると三点支持で登ったという方も居るくらい激急な石段だ。
写真鳥居を越えた右側に女坂と言う名前の、下部200段を避けて途中の踊り場にある「中の地蔵」まで通じる少し荒れたトラックの山道がある。
ご神体の巨石も一見の価値がある、神社として祭られる以前(紀元前)より信仰の対象となっていたようだ。
また石段を登った境内からは写真通り展望も良い。
ここで山行日13日は終了、新宮で宿泊。
14日は那智勝浦方面に移動。
那智の滝。
熊野那智大社。
紀伊勝浦からJR特急オーシャンアロー号で帰途に就いた。
○山行諸データ
△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)
08:50 発心門王子
09:15 船玉神社(赤木越分岐)
10:04 なべわり地蔵
10:34 柿原茶屋跡
10:44 四等三角点「足谷」
(休憩15分)
10:59 四等三角点「足谷」
11:37 湯の峰温泉
(休憩10分)
11:47 湯の峰温泉
12:32 月見ヶ丘神社
12:54 大日越登り口
13:15 熊野本宮大社
△高度計校正ポイント(詳細情報は六甲山系と一部の山域のみ)
312±m 発心門王子BS付近
110±m 湯の峰温泉R311付近
△エスケープルート
湯の峰温泉→熊野交通バス、奈良交通バス 本数(1〜2時間に1本程度)
※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)
△スタート地点付近情報
トイレ:発心門王子BS東
コンビニ:無し
飲料自販機:発心門王子BS東
△コース途中情報
トレイ:赤木越分岐、湯の峰温泉
飲料自販機:湯の峰温泉
△参考旅費(山行日現在の運賃です。運賃や運行状況は必ず最新のものを確認して下さい)
大阪駅桜橋口BT〜紀伊田辺駅前(JR西日本バス白浜エクスプレス大阪号) 2,600円、所要時間約3時間
新大阪〜紀伊田辺(JR特急指定席利用)、5,130円、所要時間2時間
紀伊田辺〜発心門王子(龍神バス) 2,250円、所要時間約2時間
本宮大社前〜新宮駅(熊野交通バス) 1,500円、所要時間約1時間
新宮〜新大阪(JR特急指定席利用)、7,010円、所要時間3時間45分〜4時間30分
日帰りだと歩ける時間が僅かだ。
宿泊はビジネスホテルやB&Bで7,000円〜10,000円、温泉旅館なら15,000円〜20,000円。