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平野谷東尾根(防火道)・大師道


日付:2009/07/11 (土)

同行者:無し

天候:くもり時々晴れ

気温:未計測

コース:地下鉄県庁前〜奥平野浄水場西〜平野谷東尾根〜七三峠〜鍋蓋北道〜再度公園〜大龍寺〜大師道〜諏訪山公園下

地形図:神戸首部

一般地図概略位置:平野

概算距離:10.2km

累積標高+:774m、累積標高−:748m

歩行時間:3時間42分、ルート係数:17.9

道迷い:平野谷東尾根は道標無し

特筆事項:危険箇所有

体力難易度:レベル2

技術難易度:平野谷東尾根登山口部分はDランク、平野谷東尾根(二本松林道出合以南)はCランク



平野谷東尾根は神戸市による通行禁止区間で実質廃道となっています。

最近、検索エンジンからこのページに直接来られる方が多いようです。
この山行(2009.07.11)時点では登山道跡は明瞭でしたが、その後の平野谷東尾根の状況は不明ですのでご注意下さい。

2010年、ネットで他の山行記録等を拝見すると、平野谷登山道取り付き部分は更に崩壊が進んでいるようです。
下り利用で補助ロープを出しておられるケースもあります。
この登山口最初の部分はコンクリート壁です、スリップすると登山道を通り越しこのコンクリート壁の下まで転落します。


今回は単独で平野・再度山方面への山行だ。

大師道で登って、平野谷東尾根へ下りるコースで計画を立てた。
調べてみると平野谷東尾根は市街地に近い部分が通行禁止になっているようだ。
更に調べていくと危険箇所と思われる急傾斜部分はなんとか通過できそうだったので
念のため登り区間での利用とし、計画とは逆コースを取る事にした。

今回のテーマは「廃道になりそうなら教えてね、歩けなくなる前に一度歩いてみたいから」だ。

山行コース図   コース詳細図  断面図

左図は通常の山行図に目標物位置を追加したもの、 右図は平野谷東尾根通行禁止区間の詳細だ。
(右図の緑と赤は目標物・注意地点、紺はピーク、浅葱は高度差のあるコルを示している。)

実際歩いてみると、通行禁止区間は奥平野浄水場西の登山口から二本松林道出合までとなっていた。
雨後だったので、靴跡は発見できなかったが、登山靴のスリップ痕のようなものは数箇所残っていた。
尾根筋(登山道跡)は、はっきりしており道に迷うような事は無いが、
ほぼ全てのピークに対して急登急降下でアップダウンの激しい荒れ放題の道だ。

入山レベルは登山道から入り込んだ鉄塔巡視路を歩ければOKといったところだろう。

通行禁止区間の両端にはっきり「通行禁止」と書かれたバリケードがあるので、
登山口まできて看板を見て、大師道や平野谷に迂回される方が多いようだ。


○地下鉄県庁前〜平野谷東尾根登山口

登山口のある諏訪山付近までの交通手段詳細は諏訪山登山口解説ページをご覧頂きたい。
(登山口に最も近い楠谷町は諏訪山公園下から神戸駅方面へ2つ目のBS)


早朝なので、便の良い地下鉄を利用し県庁前から徒歩でスタート。
右写真(2枚目写真)諏訪山公園下バス停のバス通り(山麓線)西にコンビニがある。
地下鉄県庁前 諏訪山公園下往路


バス通りを西へ進み、写真の場所で北側の住宅地に入る。
神戸市バス7系統を利用する場合は楠谷町BSで下車し西へ歩く。
水の科学博物館敷地内道路からは登山口には行けないので注意が必要だ。
山麓線右折地点


住宅地路地を道なりに進み、水の科学博物館の塀を右に見ながら更に進むと登山口に到着する。
(この登山口階段脇の道を進めば平野谷に出る。)
登山道手前 平野谷東尾根登山口

バリケードの表示が二重になっている、隠された下側には
「この道は危険です 平野谷東尾根へは大師道へお回りください。」と書かれている。
現在は二本松林道出合まで通行禁止なのだが、
当初はこの登山口から三角点のあるピークの北にある尾根の分岐までが通行止めだったようだ。

三角点のあるピークの北にある尾根の分岐からは大師道方面の神戸山手女子高中西側造成地付近に出るようだが
分岐地点から見たその道は枯葉が厚く堆積しており、最近歩かれた形跡も無く、実際に今でも造成地に出れるかどうかは不明である。
(通行可能か確認を取っておらず、道標も外されているので、山行詳細図上は「旧大師道方面分岐」と記載してる)



○平野谷東尾根登山口〜二本松林道出合(通行禁止区間


コンクリート階段を登りきるといきなり急登になる。
この部分から151.5mピークへ向かう最初の30〜40mが最も要注意区間である。
当初通行止めになった理由はこの区間が荒れたためではないかと想像できる。
(この部分地形図上から計算した傾斜は約38度。トラロープが欲しいくらいの傾斜で、補助的に掴めるものもあまり無い)
平野谷東尾根1


要注意区間を過ぎるとピークに対して直登の道(跡)が続く。
実際は写真でみるより急で登山道(跡)を無理に歩かずに、尾根の歩きやすき部分をしっかり判断して歩いた方が良い。
(イノシシが耕した跡もほぼ全域にある)
平野谷東尾根2


登山口から20分程で三角点(林山)のあるピークに着く。
(三角点標石の頭が赤く塗られいるのだが、この尾根は七三峠まで中央区と兵庫区の区界になっており、
区界標石は赤く塗られているので、三角点を区界標石と勘違いしてペンキを塗ったのではないだろうか。 )
林山三角点


三角点通過後、大師道方面への分岐のあった尾根の合流地点を経て、目立つ大きな234mのピークを越える。
ピーク先のコルに道標があるのだが、ご丁寧にすべて塗りつぶされている(119つうほうプレートち57-4
(尾根の合流地点は1/25000地形図で見ると隠れピークがありそうだが、緩傾斜地になっておりピークは無い)
119プレートち57-4


荒れた道が続くが、部分的には防火道らしい気持ち良い場所も数箇所残っている。
平野谷東尾根3 平野谷東尾根4


260〜280mの3連のピークを過ぎるとまた塗りつぶされた道標がある(119つうほうプレートち57-5
この道標は大師道への分岐があった場所を示しているようだ。
(ページ後半で写真を掲載しているが、この分岐に対応していると思われる大師道脇のバリケードが存在する。)
119プレートち57-5

上記道標の先で、谷部を通過する。
道をロストとしたかと思ったのだが、1/2500地形図で確認すると登山道はこの谷に描かれており間違いでは無いようだ。
(この谷の西にある本筋の尾根も踏み跡は無いが歩けそうな尾根なので下り利用では間違うかも知れない)


相変わらず荒れた道が続く、この辺りから薮漕ぎが必要な部分が出てくる。
雨で斜面が流出した箇所や、やや路肩が脆いと思われる箇所もあるので尾根のエッジは要注意だ。
平野谷東尾根5 平野谷東尾根6

二本松林道から七三と峠方面もかなり藪が深い箇所があるので、笹が成長する初夏〜初冬は
前方の安全確認(道・有害動物)用に、ストックを持参するか、この付近までに枝を確保しておいた方が良いだろう。

また塗りつぶされた道標がある(119つうほうプレートち57-7)、この辺りから前方に電線や鉄塔が確認できる。
119プレートち57-7


上記道標から小さなコルを越えて一登りすれば鉄塔(神戸東線一四)に出る。
この鉄塔へ出る直前は笹薮になっており、下り方向でのこの道を使う場合(お勧めしない)鉄塔からの道が判り難い。
(道は鉄塔真下で身体を電線と平行にし南を向いて立った場合、左前方鉄塔足の先にある)
神戸東線一四鉄塔


鉄塔を越えると行き止まり表示の道標がある(行き止まり方向は神戸東線一四鉄塔の1つ東側の鉄塔へ向かうようだ)
この道標先でやや道が不明瞭になるが右写真(2枚目写真)の地点で、進行方向左前方に道(の跡)が発見できる。
鉄塔先1 鉄塔先2


暫く下っていくと、二本松林道側のバリケードに出る。
平野谷東尾根北側バリケード 二本松林道出合1


この区間は他の方の数年前の山行記録写真に見られるような、整備された気持ちの良い道では無い。

登山口最初の部分以外は尾根から左右の谷に滑落するような危険だと思うような箇所は無かったが、
道の荒れ方が激しく歩き難いので、その場での転倒・前後へのずり落ち・しりもちには注意した方が良い。

下り利用の場合は道標が無い上に、支尾根もいくつかあり、ケモノ道もあるのでルート取りには注意が必要。

他の方の山行記録で難所の市街地直前部分を避け、尾根から西の平野谷に下りてパスする方法もあるようだ。

登山口から二本松林道出合までコースタイムも長く、1時間半程度必要な事も頭に入れておいて欲しい。
道が悪くなれば更に時間が必要になるかも知れない。


二本松林道出合〜再度公園


林道ベンチで休憩を取り、まずは鍋蓋山東側の縦走路を目指す。
登り口からすぐの九十九折部分はやや滑るので注意が必要だ。
二本松林道出合2


通行禁止区間も終わり緊張が解けたのも束の間、待っていたのは笹薮道、藪漕ぎの始まり始まりだ。
七三峠1 七三峠2


平野谷西尾根への分岐も藪の中。
七三峠3


七三峠も藪の中。
他の方の山行記録で見た下草が刈り込まれて開けた場所のイメージとは大違い。
七三峠の先は踏み跡はしっかりしているが、笹で地面は全く見えない。
七三峠4


藪漕ぎが終わりと前方に縦走路が見える。
ここで、本日始めて見た他の登山者が縦走路を足早に歩いていった。
鍋蓋山縦走路出合


縦走路を離れ、鍋蓋北尾根に入る。
道標には「鍋蓋北道」と書かれており、確かに「尾根」より「道」が正解だと思う道だ。
鍋蓋北道分岐


途中道標の無い紛らわしい分岐があるが、再度公園への分岐は左写真(1枚目写真)地点だ。
左写真(1枚目写真)で右折後すぐの場所で、左側のピークに登る踏み跡がついているがピークには登らない(右写真(2枚目写真))。
再度公園分岐1 再度公園分岐2


修法ヶ原大師堂を越えると間もなく再度公園だ。
公園はトイレも自動販売機も売店(営業時間は不明)もある、ここでゆっくり大休憩とした。
修法ヶ原大師堂 再度公園1 再度公園2



○再度公園〜大龍寺


修法ヶ原池を反時計回りに巻くと舗装路の南側に再度山・大龍寺方面への登山口がある。
再度公園3


山と高原地図を見ると、上写真の登山口から縦走路出合の丁度中間地点付近から再度山々頂への道が記載されてるが
実際の登山口は縦走路側にかなり近い写真の標石のある場所だ。
後述しているが、再度山々頂へは大龍寺からではなくこの道を利用した方が登りやすい。
再度山登山口


縦走路を西から東に歩いた場合、大龍寺直前で写真の分岐を通る。
登山道は右側の道を通り自販機のある広場方面へ出るのだが、
本堂のある境内に向かう場合は写真中央の道から稲荷参道を使うのが一番近い。
奥の院・亀の石・大龍寺側から再度山々頂に向かう場合は左側の道を登ると良い。
大龍寺分岐


大龍寺側から再度山々頂へは前述の縦走路北側からの道に比べて急な道となっている(特に下りは要注意)。
いかにも滑りそうな単管の階段やトラロープのある苔のついた岩場もある。
ピークハントだけなら縦走路北側登山口から入る事をお勧めする。
右写真(2枚目写真)の先に亀の石があるので、そちらの見学込みの場合も、下りは縦走路側(頂上から西)へ下りた方が安全だろう。
再度山登山道1 再度山登山道2


○大龍寺〜諏訪山公園下

下山は大龍寺から大師道だ。
大師道には丁石があり、下山する場合も目安にする事ができる (登りは数字が減算されていくので判りやすい)。
1丁は109mなのだが、現在の大師道の距離から計算すると1丁は120〜130m程度になる。


仁王門下から写真の石段を下りた左側に「一丁」の丁石がある。
大師道1


まずは猩々池を目指す、道は途中から猩々池まで舗装路になる。
猩々池1 猩々池2


大師道は終始歩き易い道で迷うような事は無い。
大師道2 大師道3


途中にバリケードがある(大師道は左側の橋を渡る)。
このバリケードの先が前述の119つうほうプレートち57-5の道標地点だと思われる(確認はしていない)。
大師道バリケード


歩きやすい道が続く。
大師道4


開けた河原になった場所が燈籠茶屋の下である(左岸側から河原に出る)。
右岸に渡り、市民トイレ前から続く舗装路(以降ずっと舗装路)が丁石のある大師道。
左岸をそのまま進めば、神戸山手女子高中のグランド東側を通り諏訪神社境内に出る、こちらは地道である。
(市民トイレ南側に十五丁の標石がある。)
大師道5


今回は大師道トレースなので舗装路で諏訪山方面に下山した。
バス通り(山麓線)に出る交差点の左側(北西側)に二十二丁の標石がある。
大師道6 大師道7


諏訪山公園下BSから三宮方面へと帰途に就いた。
諏訪山公園下復路



○山行諸データ


△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)

06:23 地下鉄県庁前
06:30 諏訪山公園下
06:41 平野谷東尾根登山口
07:00 187.8m三角点林山
07:22 119つうほうプレートち57-4
07:39 119つうほうプレートち57-5
07:54 119つうほうプレートち57-7
08:00 神戸東線一四鉄塔
08:07 二本松林道出合
   (休憩8分)
00:15 二本松林道出合
08:29 七三峠
08:43 鍋蓋山縦走路出合
08:48 鍋蓋北道分岐
09:07 再度公園
   (休憩20分)
00:27 再度公園
09:34 大龍寺
   (休憩、大龍寺再度山周遊45分)
10:19 大龍寺
10:31 猩々池
11:00 燈籠茶屋下
11:18 諏訪山公園下


△高度計校正ポイント

036.4m バス通り(山麓線)と登山口へ向かう路地とのT字路
187.8m 三角点 林山
366.5m 鉄塔 神戸東線一四
480.0m 縦走路・鍋蓋北道分岐
353.3m 大龍寺自販機前
282.5m 猩々池二本松林道大師道交差点
145.6m 燈籠茶屋下河原



△エスケープルート

鍋蓋北尾根から鈴蘭台東口→再度公園分岐から徒歩25分、阪急バス61系統利用
大龍寺→ドライブウェイ大竜寺バス停から神戸市バス25系統利用(4/1-11/30の土日祝昼間のみ)

※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)


△スタート地点付近情報

神戸市バス楠谷町付近

トイレ:諏訪山公園下BS下車のグランド横
コンビニ:諏訪山公園下BS付近にデイリーヤマザキ
飲料自販機:市街地につき多数

※諏訪山公園下〜楠谷町はバス2駅、徒歩5分程度


△コース途中情報

トレイ:再度公園、燈籠茶屋下市民トイレ、諏訪山公園グランド
飲料自販機:再度公園、大龍寺


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