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摂津名所圖會や古版画に描かれた六甲



●摂津名所圖會

摂津名所図会に描かれた、六甲山系の紹介です。



※見開きだとA4サイズより少し大きく、自宅のスキャナでは取り込めず、無理に広げると綴じ糸が切れるので、画像はカメラで撮影してる。

版画はクリックやタップすれば拡大表示できる。

○甲山神呪寺



今も昔も、甲山を描くとこうなるますね。


○岡本梅林



摂津名所図会が描かれた江戸時代、岡本梅林は吉野の桜の肩を並べるくらい有名だったようです。


○摩耶山




天上寺と合わせた解説文には、 上野村の上方にあり、坂口には焔魔堂があると記載がある。
この焔魔堂は十王山光明寺のことで、現在の上野道登山口右(東)側にある高齢者施設の辺りになる。
光明寺の詳細はmuscleさんが調査しておられるので、そちらをご覧頂きたい。

焔魔堂から阪路十八町あり、一町毎に標石があると書かれていることから、この道は現在の上野道だろう。
途中の景色が良いことと、休憩できる場所が3箇所あったとも記載されている。


○天上寺



上野道を登り切ったところに二王門(仁王門)があり、石段は198段、階段の左右に僧院が8つあると記載されている。
火災があり、お堂などが燃えて復旧中との記載もある。版画にも本堂は基礎のみしか描かれていない。


○瀧勝寺



熊内村にあり、山号は布曳山、役行者開山。
本尊は馬頭観音で、布引の滝から出現した一寸二分の像から役行者が何かを感じ取り、
像を胸中に籠めて作ったものと記載されている。


○布引の滝



雌滝・雄滝二流あって三町離れており、雄滝は高さ二十四丈五段、雌滝は十八丈、
滝の東に小さい丘があり望滝臺という展望所があったようだ。


○平相国布引瀧詣



いわるゆ布引の瀧にまつわる、平相国布引滝詣悪源太の怨霊と呼ばれている伝説を描いたものだ。

布引の滝にはこれ以外にも、滝壺の竜宮伝説や、村娘が修行をして弁天になる伝説などがある。


○生田社



山からは離れているが、元々は布引砂子山にあった生田神社。
現在の場所に遷座した時期ははっきりしないようだ。


○再度山大龍寺



絵図には、本堂・行者堂・不動堂・えんま・奥院・梵字石などが描かれている。
梵字石は、今は亀石と呼ばれているものだろう。

○禅昌寺



絵図左ページには神撫山(高取山)も描かれています。


○鉢伏山・一の谷





平家ゆかりの場所なので、摂津名所図会でもページを多く割いて、解説されています。


○有馬温泉・鼓ヶ滝・鳥地獄







こちらも歴史のある温泉。
絵図には温泉宿の描写も沢山あります。
有馬温泉全景と鼓ヶ滝・鳥地獄の3枚を紹介します。
下の絵葉書は戦前絵葉書の鳥地獄。





●布引の滝

平安時代から観光地であった布引の滝も、多くの資料が残っている。
その中から手持ちのものを紹介。


〇摂州布引瀧圖



比較的多く出回っている版画。
雄滝・雌滝・瀧勝寺・砂子山・布引観音堂などの記述がある。
雄滝には茶屋と思われる建物も描かれている。

〇布引瀑圖



この版画には、茶屋と思われる名前が多く記載されている。
瀧勝寺・砂子山大明神・摩耶山や六甲山も描かれている。


〇歌川広重「本朝名所 拙州布引之瀧」



広重の版画(色の鮮やかさからおそらく明治以降に摺られたものだろう)。
浮世絵らしくデフォルメされているが、甌穴部分もしっかり描かれている。
今のおんたき茶屋付近に建物も描かれている。



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