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応急手当講習会



2009年秋冬シーズン、時間を作って応急手当の講習会に参加した。

私は懸垂降下してけが人を救助する技術も、ビレイする技術も持ち合わせていない。
今後、クライミング関連の技術はセルフレスキュー技術として習得していこうと思っているが、
人助けに役立てるところまで技術を昇華させるには何年もかかる。

しかしセルフレスキュー技術のひとつである救命処置・応急処置なら、今すぐ学べて山で役に立てるかも知れないと考えた。
また習得した技術は、自宅でも街でも役立てる事ができる。


参加したのは弊サイトでリンクしている、 神戸市消防局(受講時は神戸市防災安全公社)と日本赤十字社の講習会だ。

※2011年4月より、神戸市の市民救命士講習は消防局直轄になりました。

講習会は色々あるが、目的としているレベルによって参加するコースを選べば良いと思う。


どの講習会に参加すれば良いか。(独断と偏見です)

家族や同僚、ご近所の人のため救命処置や応急処置の基本を知っておきたい
→神戸市消防局・普通救命コースI・ケガの手当コース

街中での急病や事故現場等、さまざまなシーンで救命処置ができるようになりたい
→神戸市消防局・上級コース、日本赤十社・救急法基礎講習

さまざまなシーンでの救命処置に加え、けが人への応急処置や搬送、災害等の一次救命現場でリーダーシップを発揮したい。
→日本赤十社・救急法救急員養成講習


○神戸市消防局(受講時は神戸市防災安全公社


市民救命士講習の「普通救命コースI」「ケガの手当コース」「上級コース」を受講した。

神戸テキスト

神戸消防

普通救命コースI
(3時間)

救命処置の基本をビデオで見る。

6〜8人のグループに分かれ、
人形を使って心肺蘇生法、AED使用方法の実習(何回かグループで一人ずつ順番に行う)

気道異物除去の説明。


ケガの手当コース(2時間)

2名でペアを組んで包帯と三角巾の使用方法を実技を中心に行う。


上級コース(7時間半(休憩1時間を含む))

上級コース会場

普通救命コースIとケガの手当コースの修了者が対象

6〜8人のグループに分かれ、
普通救命コースIと同様に人形を使って心肺蘇生法、AED使用方法の実習

人形を使った処置ではセンサーを使って、
胸骨圧迫の場所、強さ、速さや人工呼吸でちゃんと息が吹き込まれているかチェックを受ける。

成人に対する処置以外に小児や乳児に対しての処置も人形で実習する。

人形を使った、気道異物除去の実習

ケガの手当コースの復習、包帯や三角巾の使用方法。

学科検定
救命処置に関して○×問題が25問

実技検定
指定されたシーン(駅のホームで人が倒れた等)でAEDを使った救命処置

共に80点以上で合格。

実技試験は評価シートを見せて貰ったが減点法。
必要な手順が抜けていたり、正しく行っていなければ減点されていく。

検定後、搬送法の実技(何名かだけで実演)。

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○日本赤十字社

日本赤十字社の講習会は「救急法基礎講習」「救急法救急員養成講習」を受講した。

赤十字テキスト

赤十字1

※以下すべて説明は兵庫県の場合であり、他府県は多少違いがあると思う。


受講した2講座は救急法に関する講習会だ。

救急法基礎講習は半日、救急法救急員養成講習は2日間の日程で開催される。

両講座を2週間(日曜と翌週土日)で連続して受講できるコースもある。
(全行程の教材を初日に貰え、予習が可能なのでオススメ)

受講はネット上で申し込み抽選後結果が郵送されてくる、受講可能となったら教材費実費を払い込んで講座を受講する。

私は連続して受講できるコースを受講した、参加者は30名程度だった。


救急法基礎講習
(4時間半)

まずは学科。
救急法や一次救命処置について講義を受ける。

その後実技、7〜8人ずつ4グループに分かれて、更に2名でペアを組む。
ペアの方と傷病者の観察、意識がある場合の保温や体位。
グループで人形を使って心肺蘇生法とAEDの使用方法、気道異物除去。

最後に実技・学科評価(試験)。
実技評価はAEDを使った一次救命処置。
受講番号順に4グループに分かれて、それぞれ一人ずつ順番に行う。
学科評価は4拓問題が10問。

採点基準は公開さえていないが実技・学科80点以上で合格。
※半日真剣に取り組んでいれば、まず100%合格できる。

合格できれば、「赤十字救急法基礎講習修了者」となる (有効期限は3年)。

養成講習講義室

救急法救急員養成講習(8時間×2日間(各日休憩1時間を含む))

この講習は赤十字救急法基礎講習修了者でないと受講できない

こちらは当日真剣に取り組むだけは2日目の検定合格は難しい。
可能なら予習、最低でも1日目終了後、しっかり復習しておく必要がある。
(2日目、他の参加者と話をしているとみんなしっかり自宅で復習しておられた)

1日目
救急法救急員と急病に関して学科。

きずの手当の学科と実技。
実技はペアの方と直接・間接圧迫止血、三角巾使用法(額・耳・頭・胸・肩・手・前腕・下腿・膝)等


2日目
骨折の手当てと搬送の学科と実技。
グループで副子を使った骨折箇所の固定や徒手搬送・担架搬送等
ペアの方と捻挫箇所の固定、腕の吊り方等

総合実技(シミュレーション)
他府県では大地震等を想定した実技を行うようだが、
やはり神戸は地震には心に傷を負った方も多いからだろう、ハイキングを想定したものだった。

参加者30人を2グループに分ける。各グループから傷病者役を2名出す(私は傷病者役に立候補)。
救助者役と傷病者役はそれぞれ別室でレクチャーを受ける。
傷病者役はそれぞれに名前・性別・年齢・負傷箇所・意識の状態等が設定されている。
(負傷箇所に貼るケガシールまで用意されている)。 当然、救助者には負傷の状態は知らされていない。

レクチャーが終われば実技開始。

登山パーティーがハイキングを楽しんでいると、2名の傷病者を発見するところからスタート。
応急手当をし(偶然近くにある)病院まで搬送する。


実技検定(2名ペアで行う)
直接圧迫止血→正しく止血できてるか。
間接圧迫止血→止血箇所の先で圧迫した時に脈は止まるか。
三角巾使用法→2箇所を3分(ただし肩は三角巾が2枚必要なので+1分の4分)で処置を行う試験を2回行う。
固定法→腕を吊るか足首捻挫の固定、1分30秒で行う。

直接圧迫止血以外は各ペアに処置する部位を書いたカードが配られる (三角巾使用法ならカードに「頭と右肩」等書いてある)。
カードに書いてある部位はランダムなので、隣を見ても違う場所の処置をしているので参考にならない。


学科検定
○×10問、文章の語句選択穴埋め20問(箇所)、記述4問。


学科検定が終わると、2日間遅刻早退なく参加なら救急法救急員養成講習の受講証が発行され講習会は終了。


検定合格者(実技・学科80点以上で合格)には後日、赤十字救急法救急員の認定証が郵送されてくる。
救急法救急員の資格有効期間は3年、2年経過後延長講習を受ける事で資格を延長できる。




○ネットで調べた六甲山中のAED(自動体外式除細動器)設置場所

講習会を受講後、六甲山中にどれくらいAEDが設置されているか調べてみた。
設置が確認できたのは以下の場所。

神戸市立森林植物園

オテル・ド・摩耶

六甲山牧場

神戸市立自然の家

六甲山YMCA

六甲山ホテル

六甲ケーブル山上駅

神戸市立六甲山小学校


※この記事をご覧の皆さんも、救命処置はできなくても
  一次救命者から「AEDを探して持ってきて下さい」と依頼される事もありますので、
  通勤経路や生活圏のどこにAEDが設置されているか興味を持って頂ければ幸いです。

  神戸市はAED設置に積極的に取り組んでおられます、設置場所は神戸市の一覧表をご覧下さい。 



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