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天望山・一ヶ谷西尾根・アイスロード
日付:2010/04/03 (土)
同行者:無し
天候:晴れ時々くもり
気温:7℃(記念碑台、11:10、標高約790m)
コース:六甲ケーブル下〜天望山〜一ヶ谷西尾根〜ケーブル山上駅〜山上舗装路〜前ヶ辻〜アイスロード〜表六甲DW〜六甲ケーブル下
地形図:神戸首部、有馬
一般地図概略位置:一ヶ谷西尾根
概算距離:6.8km
累積標高+:648m、累積標高−:648m
歩行時間:3時間44分、ルート係数:15.6
道迷い:読図能力必要箇所有
特筆事項:急傾斜箇所有り
体力難易度:レベル2
技術難易度:天望山・一ヶ谷西尾根はCランク
今回のテーマは「たっぷり静かな尾根登りが楽しめました」だ。
今回は単独で六甲に向かった。
往路は天望山・一ヶ谷西尾根で六甲ケーブルが通る谷の西側のピークと尾根だ。
表六甲DWから天望山々頂までは鉄塔巡視路、その先は踏み跡を辿る尾根歩きとなる。
昔この付近には、一ヶ谷道と言う登山道があったがケーブル開通や水害で廃れてしまったようだ。
戦前の登山地図やS24発行神戸首部地形図から一ヶ谷道だと思われる経路を
山行コース図に緑色の半透明線で記入してみたので参考にご覧頂きたい。
古い文献(六甲北摂ハイカーの径)では天望山から一ヶ谷西尾根の道は天望山道と記載されており、上部で前述の一ヶ谷道と出合う。
実際歩いてみると一ヶ谷西尾根後半に古い丸木階段や風化したコンクリート階段があったので、これは一ヶ谷道の名残だろう。
天望山々頂以北は特徴的な目標物が殆ど無い。
山行コース図にピークと標高点を追加してあるので、この尾根を歩かれる方は参考にして頂きたい。
復路は3/13通行止め解除になったアイスロードを歩いてみた。
アイスロードも古道で前ヶ辻道や北側のシュラインロードと合わせて唐櫃道・唐櫃越と呼ばれてきた道だ
(「唐櫃越」は京都西山の唐櫃越の方が有名)。
この道も水害で大打撃を受けコース案内板にあるような大八車で氷を下ろせるような道では無くなっている。
○六甲ケーブル下〜天望山々頂
出発は六甲ケーブル下駅(別ページ登山口案内)。
JR六甲道より市バス16系統で終点だ、阪急六甲・阪神御影からも乗車できる。
16系統は神戸市バスの中でも2系統に次いで運行本数の多い系統(H20年度実績)で早朝深夜以外はそれほど時刻表を気にせず乗車できる。
六甲ケーブル下駅より東(16系統のバスが出発する方向、油コブシ方面)への舗装路を進む。
六甲ケーブル下から矢印の通り、表六甲DW新道に入る。
ここから数百メートルが今回の山行でもっとも危険な部分だ。
(写真右端中央の斜め上に向かっていくガードレールが油コブシ方面)
表六甲DWは有料のトンネル区間以外は一般道で歩行者通行禁止では無い。
当然「歩行者通行止」の標識も無い。
しかし、ドライバーは特にDW新道を歩行者が通るなどとは考えていないので細心の注意が必要だ。
この辺りに土地勘の無い方へ表六甲ドライブウェイの補足説明だが、
上記写真の高架入口からループして六甲大橋を渡り、前が辻谷沿いに有料ゲートに向かう道が新道。
六甲ケーブル下駅から西の六甲川沿いを登っていく道(アイスロードや山羊戸渡の登山口がある道)が旧道だ。
新道と旧道はアイスロード登山口南側で一旦合流している(このページ最後から4番目の写真)。
写真には「有料道路」と書かれているが、有馬(唐櫃)方面に抜けるトンネル以外は2002/6/1に無料化された。
とにかく危ない。
その中でも特に危ないのが下の写真で小さく白い乗用車写っている付近の右カーブだ。
山上側から下ってくる車が路側帯の内側まで切れ込んで来る、細い縁石があるのでその上を歩いた方が良いだろう。
(反対側の路肩を歩く事もできるが道路を横断する必要があり、写真手前の左カーブから死角になり車はかなりスピードを出しているので危険)
帰宅後この写真を見て思ったのだが、
落石の危険はあるし通れるか確認はしていないが、可能なら黄色い看板のところからフェンスの裏側を通るか
フェンスのあるコンクリート塀上を歩いた方が良いかも知れない。
落石負傷と交通事故の可能性を比較したら、圧倒的に交通事故の可能性の方が高いように思われる場所だ。
このコースを歩かれる各人の判断で慎重に通過して頂きたい。
上写真の右カーブのすぐ先にあるフェンスの切れ目が登山口だ。
登山口からまずは天望山々頂目指す。
今回の行程で登山口から2本目の鉄塔までが一番の急登箇所だ。
心肺が登山モードになっていない状態での急登は堪える。
少し踏み跡が判り難い場所もあるが、それ程問題無く進む事ができる。
1本目の鉄塔(篠原線一〇)を通過し進む。
2本目の鉄塔(神戸東線二九)に到着、この辺りから登山道の傾斜は緩くなっていく。
2本目以降の各鉄塔付近からは、南は神戸の市街地、西に長峰山、東に油コブシの展望が良い。
2本目の鉄塔を越えると写真の場所を通過する。
左写真(2枚目写真)の通り、岩が左(西)側に崩れるのを防いでいる。
左側下方には表六甲DWがあり、この辺りは垂直に近い崖になっている(このページの最後から3番目の写真参照)。
3本目の鉄塔(神戸港線五)に到着、ここも鉄塔橋脚部分が補強されている。
ベンチ代わりに座れるので、パティー行の場合は休憩適地だ。
4本目の鉄塔(六甲線八)がほぼ山頂、実際は鉄塔から奥(北)に数メートル歩いた付近が山頂になる。
山頂付近の右側(東側)の木に私設の板が下がっている。
写真では判り難いがこの鉄塔、地面から橋脚下部に電線がループ状に取り回されている。
想像だが、鉄塔が倒れたときにこの電線が切断され、何らかの通報が関西電力に通知される仕組みになっているのだろう。
○天望山々頂〜記念碑台
山頂から北の道は、展望は殆ど無く楽しい岩場も無い、普通の尾根歩きになる。
ただ(人気コースを歩く時は割り切っているが)単独行の時は人に会わず歩ける道が好きな私にとってはとても楽しい道だ。
山頂鉄塔から15〜20m程度進んだ右(東)側に3本の石柱がある、ここが要注意ポイント。
このコースを歩かれた多くの方解説されている通り、ここは踏み跡薄い右側へ進む。
しっかりした踏み跡の方を辿ると表六甲DWの別地点に出るようだ(未確認、1/2500白図の登山道線より)。
ここまでの行程とは打って変わったように、踏み跡薄いコースになる。
地形図を見れば判るのだがコルまで40m程高度を下げるので、
前方の踏み跡を確認し間違った方向に下りないように注意が必要だ。
数は多くは無いがコース全体に目印のテープも巻かれている。
449.7mのコルに出る、このコルからケーブル山上駅まで高度で300m近く登る必要がある。
この先の登り返しの踏み跡が少し判り難いがコルからほぼ直進した場所に踏み跡がある。
この登り返し部分がコース最初の部分に次いでの急登箇所になる。
踏み跡横に赤い杭がある地点付近が521.2mのピークだ。
登りは続く。
別尾根乗る感じで少し開けた場所に出たら594.2mのピークだ。
平坦になった道を進む、ここもやや判り難いが、中央写真(2枚目写真)の朽ちた木の先に踏み跡が続いている。
樹林帯の踏み跡を進む、右写真(2枚目写真)のピークに見える場所が、619.6mの標高点。
続いて652.6m標高点付近。
この辺りから笹が深くなる、まだこの時期はそれほどでも無いが夏〜晩秋はかなりの藪漕ぎになるだろう。
笹薮の道が続く、この付近が昔一ヶ谷道が合流していた地点になる。
いくつか岩がある694.2mのピーク。
この付近は踏み跡は尾根筋を少し外して進んでいる。
また尾根に乗るように進めば、708.3mのピークだ。この辺りからケーブル山上駅がしっかり確認できるようになる。
笹が茂っているので高度感は無いが結構細い尾根筋を歩く。
ケーブル駅舎を右に見ながら踏み跡を辿れば、バス停の横に飛び出す。
少し呼吸を整えて、舗装路を進み記念碑台で休憩とした。
○記念碑台〜六甲ケーブル下駅(アイスロード)
六甲ケーブル下から油コブシを登ってアイスロードを下るコースは
弊サイトの別ページで山登りを始めようとする方の一登目として推薦しているコースだ。
この項で緑色の文字はこれから登山を始めようとする方向きの情報だ。
記念碑台から西に進み、六甲山ホテルを越えれば前ヶ辻。
山上道路の左(南)側がアイスロード、右側がシュラインロードだ。
下山口からスタート。
下山のコースタイムは1時間10分程度となっているので、
休憩を含め1時間40分程度で六甲ケーブル下駅に着く。
現在時間から到着予定時間を確認しておこう。
コース案内板がある場所では素通りせずに現在地の確認をすれば行程進度が把握できる。
六甲山系神戸市域の道標には黄色の119ばんつうほうプレートが付いている事が多い。
その名の通り、119で救助を要請するための場所特定用プレートだ。
このプレートには「な14−15」のように記号が書かれている。
記号の意味は上記例の場合、
「な」はその道標付近を管轄する消防署の頭文字で、「な」は灘消防署を意味している。
「14」は登山道や地域・区間を表しており、六甲山系の登山道で重複しない番号が振られている、「14」はアイスロードの意味だ。
「15」は登山道内の連番で一部例外を除き麓から山上方向に向けて番号が振られている。
道標は等間隔にあるわけでは無く、連番が飛んでいるケースもある。
アイスロードを下る場合連番は、山上が15で、1になれば表六甲DWに出る。
尚、例外として
六甲全山縦走路は、「ち1−7−2」のように数字が3つある。
「ち」は管轄消防署、「1」は全山縦走路を意味し、「7」は縦走路を15分割した区間番号で東から西に1から15の連番が振られている。
最後の「2」は区間毎の西から東に向かって連番になっている。
最も東にあるプレートは鉢巻山トンネル西側地道との分岐で「な1−1−17」、
最も西は須磨浦公園スタート地点先売店横の石段の始まる場所で「ち1−15−1」だ。
「な1−1−1」は六甲全山縦走路のページで解説している、極楽茶屋東の地道と舗装路が何度もクロスする部分の3箇所目地道を下り切った地点にある。
芦屋山域の一部やノースロードも数字3つ場所がある。
これ以外に途中で登山道が合流(分岐)し、登山道を意味する番号も連番も変ってしまうケースもある(青谷道と上野道、油コブシと寒天山道など)。
全くの余談だが登山道連番栄光の(笑)1桁道は
1:六甲全山縦走路
2:ノースロード(徳川道の一部を含む)
3:魚屋道
4:芦屋ロックガーデン中央稜
5:芦屋横池・打越山・八幡谷・金鳥山周辺
6:住吉谷(一部)
7:石切道
8:番匠屋畑尾根
9:紅葉谷道
となっている。
最初は住宅地や別荘地を縫うように進む(分岐には必ず道標がある)。
住宅地を抜けると登山道らしくなる。
この辺りで視界が開けてすり鉢状になった谷全体を見渡す事ができる。
見えているのは前ヶ辻谷の上流部分になり、良く見るとただすり鉢になっているのではなく尾根と谷がはっきり確認できる。
通行止めになった崩落地点に到着、左側の階段が新たに設置されたものだ。
この新設階段実に狭い。。。
丁度下からハイカーが登ってきたのだが、離合できなさそうだったので通過待ちをした。
折角工事したならもう少し階段幅を取っても良かったのではないだろうか。
通行止め区間は短距離で階段上部から全体を目視できる。
崩落現場は写真の地点で、大勢で歩いたり大雨が降ればさらに崩れそうな雰囲気だ。
整備された歩き易い道が続く。
沢に水量があれば、この辺りで川のせせらぎが聞こえてくる。
下山方向最初の渡渉地点。
アイスロードは約1年前に歩いているのだがすぐに違和感を感じた、沢が土砂で埋まっているのだ。
写真中央にある道標とコの字に見える鉄柱、沢右岸から左方向に伸びている木の根元から沢までの距離を1年前の写真と比較すれば良く判る。
これも2009年夏の豪雨によるものだろう。
この渡渉地点までが主に尾根や斜面を歩く道、ここからが主に沢筋(谷道)になる。
アイスロードは何箇所か渡渉地点がある、登山道が沢に消えた場合は対岸や下流方向を確認すれば道がある。
沢底には大きな石があり渡渉に問題は無いが、最初は間違って浮石(不安定な石)を踏んで沢にはまってしまう事もあるだろう。
靴の中まで濡れるのが気持ち悪いという方は替えの靴下を持っていくと良い(靴が少し乾いてから穿き替えよう)。
沢が濁っているのは前ヶ辻谷支沢で堰堤工事が行われているためだ。
特に階段が新設された地点以外は問題なく進める。
アイスロードに限らず谷道は道標以外に目標物が少ない。
六甲山系の谷道には必ずと言っていいほど砂防ダムがあるので目印にしよう。
上記左端写真(1枚目写真)が前ヶ辻第二堰堤だ。
前ヶ辻堰堤下にあるベンチのある地点を通過。
真水(マスイ)谷第4堰堤(右写真(2枚目写真))のぬかるんだ部分。
この119プレート「な14−7」道標からも一ヶ谷西尾根に向かえるようだ
(未確認、1/2500白図上は594.2mのピーク北側で一ヶ谷西尾根に合流)
アイスロードはこの道標の左から右に続いている、写真の踏み跡は一ヶ谷西尾根方向。
この辺りからDWを通る車の音が聞こえてくる。
DW下のトンネルを越え、六甲ロープウェー跡を左に見て金属製欄干の橋を越えれば、表六甲DWにでる。
横断歩道のある交差点から旧道を進む。
登ってきた天望山の西側崖斜面を見える、道や鉄塔が補強されてたのも納得できる。
三叉路を左に取れば、六甲ケーブル下駅だ。
往路と同様市バス16系統で帰途に就いた。
○山行諸データ
△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)
08:50 六甲ケーブル下
08:55 天望山登山口
09:08 神戸東線二九鉄塔(麓から2本目の鉄塔)
(休憩5分)
09:13 神戸東線二九鉄塔(麓から2本目の鉄塔)
09:31 天望山々頂
09:48 P521.2(踏み跡付近に赤い杭がある)
10:27 P694.2(ピークに岩がある)
10:43 六甲ケーブル山上駅
11:00 記念碑台
(休憩15分)
11:15 記念碑台
11:25 前ヶ辻(アイスロード下山口)
11:51 前ヶ辻第二堰堤
12:07
前ヶ辻堰堤(木のベンチとテーブルのある場所)
12:18 真水谷第四堰堤
12:33 表六甲DW下トンネル
12:42 表六甲DW(アイスロード登山口)
12:54 六甲ケーブル下
△高度計校正ポイント(詳細情報は六甲山系と一部の山域のみ)
242.1m 六甲ケーブル下駅前車道
741.0m 六甲ケーブル山上駅前車道
788.0m 記念碑台交差点
△エスケープルート
六甲ケーブル山上駅→六甲ケーブル、阪急バス
記念碑台→阪急バス、六甲摩耶スカイシャトルバス
※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)
△スタート地点付近情報
トイレ:六甲ケーブル下駅
コンビニ:無し
飲料自販機:六甲ケーブル下駅
△コース途中情報
トレイ:ケーブル山上駅、記念碑台
飲料自販機:ケーブル山上駅、記念碑台付近