武奈ヶ岳(御殿山コース・イブルキのコバ〜八雲ヶ原〜ダケ道)
日付:2009/09/11 (金)
同行者:なし
天候:晴れ時々曇り
気温:18℃(武奈ヶ岳山頂、11:30、標高約1214m)
コース:坊村〜御殿山〜ワサビ峠〜武奈ヶ岳〜イブルキのコバ〜八雲ヶ原〜北比良峠〜ダケ道〜大山口〜イン谷口・桜のコバ〜JR比良
地形図:比良山・北小松
一般地図概略位置:武奈ヶ岳
概算距離:12.7km
累積標高+:1077m、累積標高−:1292m
歩行時間:5時間33分、ルート係数:25.3
道迷い:ダケ道は慎重なルート取りで
特筆事項:転倒・滑落注意
体力難易度:レベル3
技術難易度:本コース復路はCランク、往路はBランク
○三宮〜坊村BS
まずは登山口のある坊村に向かう。
坊村へは2方向からアクセスできる。
(アクセスのバス便はどちらも日に数往復のみ)
まずは今回利用しなかった方法だが、
J
Rで湖西線堅田駅まで行き江若バス堅田葛川線坊村BS下車。
日帰り登山に便利な便は8:45堅田発9:31坊村着、運賃は1000円だ。
そして今回利用した、京都京阪出町柳駅前から京都バス10系統で坊村BSに向かう方法。
7:45出町柳駅前発8:41坊村着、運賃は990円だ。
990円の小銭を作るのが面倒な場合は出町柳バス停で道路を向いて右(北)側にある京都バス案内所で切符を購入する事ができる。
神戸方面(三宮)から出町柳までのアクセスは
時間優先であれば、三ノ宮→(JR神戸線・京都線)→京都→(JR奈良線)→東福寺→(京阪)→出町柳だ。
運賃優先であれば、三宮→(阪急:十三乗換え)→河原町→(徒歩約10分)→祇園四条→(京阪)→出町柳となる。
今回はチケット屋で購入したJR三ノ宮〜京都の切符を持っており、余計な乗り越し料金を払いたくなかったので
私の経路は、三ノ宮→(JR神戸線・京都線)→京都→(徒歩約15分)→七条→(京阪)→出町柳。
上記時間優先経路で時刻表検索した奈良線の乗車時間に待ち時間を含めると、
京都駅から歩いて七条駅に向かっても同じ電車に乗れる計算だ(実際に乗れた)。
私と同じように京都駅から京阪七条駅まで歩かれる場合は
京都駅地上階烏丸出口を出て、京都タワー右側の烏丸通りを北へ(上ル)、数分で烏丸七条交差点(信号に交差点名表示有り)に出る。
ここを右折(東入)し10分強で鴨川を渡れば、京阪七条駅(駅は地下)に着く。
京阪出町柳駅から、まずは叡山電車乗換口方面へ出る。
エスカレータを上がった丁度裏側が京都バスのターミナル。
左方向に少し歩くと、おにぎり屋の向こう側にセブンイレブンがある。
バス停前の通りが川端通りで左方向(南・下ル)に数分歩いた川端今出川交差点南東角にサンクスがある。
バス停の背面はロッテリアである(営業朝7時から)。
バス停前に流れている川が高野川、その向こう側に加茂川が流れており、出町柳で2つの川は合流して鴨川になる。
鴨川は下流で桂川に更に下流で淀川となり、新大阪と東淀川区の取水口から尼崎・西宮・芦屋と地下を通って神戸市の水道水になっている。
※坊村に向かう路線バスは小さなマイクロバスだ。
このマイクロバスに一般乗客・登山客・釣り客・BBQ客・キャンプ客等が乗車するので
乗客が多い時は出発時間ギリギリにBS到着では座れないので要注意。
今回平日だが出発30分前の7:15に到着して列の3番目、出発時は立ち客も含め超満員状態で出発した。
乗車時間1時間弱で坊村BSに到着する。
坊村BSでは単独登山者が私を含め4名、大学1〜2回生程度5名パーティ1組が下車した。
○坊村BS〜御殿山
いきなり急登になる事は判っていたので、十分なウォーミングアップと
同じバスで下りた登山者と間隔を空けたかったので、ゆっくり準備を整えてから出発した。
まずは登山口のある明王院へ向かう。
途中のT字路に道標があるが右折は牛コバ方面に向かう道だ。
御殿山コース登山口は道標地点を直進し橋を渡り右写真(2枚目写真)の境内奥だ。
写真地点が登山口、御殿山コース内道標は良く整備されている。
お約束通りの急登だ、ひたすら九十九折に登って行く。
登山口が310m程度、この急登で846標高点付近まで500m以上高度を稼ぐ必要がある。
途中、ベンチ等の休憩施設は無い、400m付近、600m〜700m付近、780m付近に緩傾地があるので疲れ具合に応じて休憩する。
目標物が殆ど無いので途中どのくらい登ったかは高度計が無いと不明だ。
九十九折で見つけた「秋」と急登尾根の実際の傾斜。
この急な登りは最初680m付近から西に延びる尾根を登っており、
標高700m付近から南に延びる尾根に取り付くため斜面を登る、
その後南へ延びる尾根の上部の屈折した部分を846標高点へ向かう。
南へ向かう尾根は登山道はから少し外れているので確認し難い。
846標高点を過ぎれば急な登りは一段落する。
ただし、まだ武奈ヶ岳山頂までは高度で約400m登る必要がある。
846標高点以降は道の変化で進行具合を判断する。
コル→巻き道→沢筋→尾根道と変わっていく(道の変化は地形図から読み取れる)。
尾根道前方の開けた場所に出るが、残念だがまだ御殿山では無い、1040m付近のピーク(ニセピーク)だ。
ピークにはキタヤマブシ(トリカブト)が花を咲かせていた(写真内の右下の紫色の花)
1040m付近のピークから更に一登りすればやっと御殿山に到着する。
ここで武奈ヶ岳の雄姿全景を見る事が出来る、南にはびわ湖バレイも確認できる。
本日のメインイベント西南稜は近い。
ここまで相当足に疲れも溜まっていたので、休憩中念入りにストレッチをした。
○御殿山〜武奈ヶ岳
休憩が終わり武奈ヶ岳山頂を目指して再スタートである、まずは少し下ってワサビ峠。
ガレ道を登り、1120m程度のピークを越えれば、西南稜だ。
西南稜は見晴らしも道も本当に気持ち良い、ここまで登ってきた苦労を吹き飛ばしてくれる。
武奈ヶ岳手前の1140mピーク(真ん中写真(2枚目写真)の左側のピーク)は上部が岩になっているがそのまま乗越えれば道は続いている。
右写真(3枚目写真)に見えているピークは山頂南の分岐ピーク(ニセピーク)この北側に山頂がある。
イブルキのコバ方面への分岐ピーク(ニセピーク)、そこからもう一息で山頂だ。
山頂北側の小ピークでは先行した学生パーティーが食事中だった。
私は山頂付近で昼食とした。
私の食事が終わる頃、学生パーティーは釣瓶岳方面へ出発した。
途中で抜いた単独行者がこちらに向かっいるはずだが、まだ西南稜方面に姿は確認できない。
と言う事は、山頂独り占めである!
なんとも贅沢な時間だ。
上機嫌で山頂からの風景を満喫している時、何か異変の感じて辺りを見回した。
一瞬理由が判らなかったのだが異変は風だ、それまで吹いてた風が止まったのだ。
静寂。
全く音がしない、独りきりの360度展望の中での完全な無音。
武奈ヶ岳が、比良山系が、北山や琵琶湖が、雄大な景色が静まり返っている。
大空と山々が作り出した静寂、更なる感動だ。
コンサートで指揮者がタクトを振り上げた一瞬の静寂に似ていると感じだ。
丁度西を向いていた私には、
京都北山の山々がオーケストラに見えた、勿論指揮者は武奈ヶ岳だ。
時間にして20秒程度だったが、武奈ヶ岳が素晴らしい静寂と言う名の感動を与えてくれた。
また風は戻り、山々は自然の音を奏で始めた。
○武奈ヶ岳〜八雲ヶ原
名残惜しいが後続の登山者も登頂してきたので、山頂を後にしイブルキのコバへ向かう。
比良ロープウェーが営業されていた頃はもう少し整備された道だったのかも知れないが、急坂の荒れた下りが多い。
山頂から30分強でイブルキのコバに到着。
まだこの地点で標高は1000m弱ある、先は長い。
「イブルキのコバ」とは面白い名前だ。
調べてみると「コバ」は沢山の方が指摘されている通り、十中八九「木場」の事であろう。
広辞苑では、木場:山で伐った木を集めて置く山間の狭小な平地。仕事場・休み場などにも利用。馬場(マバ)。馬止とある。
「イブルキ」はこれだと言う意味は見つけられなかった。
訛って転じたものでないなら、漢字に当て嵌めると「燻る木の木場」「燻る帰の木場」「燻る岐の木場」辺りだと思うが想像の域を出ない。
山頂直下の急坂に比べて歩き易い道を進む。
前方の視界が急に開けたら、比良スキー場跡だ。
開けた場所を南に進むと人工池がある。
池の南側に八雲ヶ原湿地の入口や北比良峠方面への登山道がある。
湿地の木道を進む。
木道の終わりを左に方向に出れば、登山道と合流する。
○八雲ヶ原〜イン谷口
道標に従い北比良峠方面に進む。
再び前方視界が開けた場所が旧ロープウェー山上駅跡だ。
ここで琵琶湖の景色を眺めながら小休憩とした。
ロープウェーやロッジ関連の建物はすべて綺麗に撤去されていた。
色あせたハイキングコースの看板とケルンは撤去されずにひっそり佇んでいた。
私のホームグラウンド摩耶山にも撤去か保存かしっかり対応して欲しい建物があるので見習って欲しいものだ。
隣接の琵琶湖バレイとの競合、レジャー形態の変化、諸事情で廃止されたのだろうが
山に自力では登れない人達も居る(高齢者・幼年者・持病・障害・故障・・・・)。
自然は素晴らしい、その自然を誰もが味わう事が出来るように、私は観光目的だけで山の中に道路をを敷設するのは反対だが、
ロープウェーやケーブル、リフト等を設置する事は決して間違った事では無いと思う。
六甲山系や琵琶湖バレイ、比叡山、生駒山等々、現存している山上へのアクセスは長く残って欲しいものだ。
地形図上、旧ロープウェー山上駅北側辺りが一番低くなっており、その辺りが北比良峠と言う事になる。
ダケ道方面は曲がった木が屋根になったベンチのある休憩所の先だ。
すぐに神璽谷と分岐があり、尾根筋を進む。
尾根道が終われば、激下りの始まりだ。
途中緩やかな下り部分もあるが、総じて急坂だ、変化無い急坂を黙々と下りるのは結構辛い。
転倒転落事故は下りで多く起きる、ここまで歩いてきた足は相当疲れており、慎重に歩を進める。
途中、ルートが判り難い部分もあるので、コース取りは慎重に。
カモシカ台で休憩しようと思っていたが、場所が判らぬまま大山口まで下山した。
歩き易い道を通って、公衆トイレを越え舗装路に出ればイン谷口だ。
○イン谷口〜JR比良
桜のコバ方面の地道を進む。
バイパスの下を潜り、写真の方向に進むと、また地道となる。
途中何箇所か左右に分岐があるが広い方の道を進み、
左写真(1枚目写真)(には写っていなが写真の右側に住宅がある)の地点で右方向に進むと道なりでR161に出る。
この辺り住宅開発が進んでおり道が判り難い、迷ったら南東へ下れば必ずR161に出る。
R161上で琵琶湖方向に目を凝らせば比良駅が確認できる。
実際の比良駅へのアクセス道路は樹下神社・天満宮の前、京都銀行の看板のある場所だ。
案山子のお見送りで比良駅から車中の人となった。
比良駅は湖西線普通電車しか停車しない、1時間に1本は堅田駅で新快速に接続している。
接続の無い列車は京都まで先着すると車内アナウンスされるが、京都で新快速に乗り換えると待ち乗客が多く座れない可能性が高い。
少しでも座る確率を上げるには、1駅手前の山科駅で乗り換える。京都駅で乗り換える新快速はすべて山科駅に停車するのだ。
山科駅で乗り換えて、神戸方面までゆっくり座って帰宅する事ができた。
○山行諸データ
△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)
08:58 坊村BS
09:03 御殿山コース登山口
10:04 846標高点付近
10:36 御殿山々頂
(休憩10分)
10:46 御殿山々頂
10:52 ワサビ峠
11:17 武奈ヶ岳山頂
(休憩35分)
11:52 武奈ヶ岳山頂
12:29 イブルキのコバ
12:53 八雲ヶ原湿原
13:05 旧比良ロープウェー山上駅跡
(休憩10分)
13:15 旧比良ロープウェー山上駅跡
14:25 大山口
14:45 イン谷口
14:56 バイパス下
15:26 JR比良駅
△高度計校正ポイント
(詳細情報は六甲山系神戸市芦屋市山域のみ、整数値の標高点等以外は概算値で±10m程度の誤差有り)
0054 m 叡山電車出町柳駅付近
0305 m 坊村BS付近
1097 m 御殿山々頂
1214.4m 武奈ヶ岳山頂
0995 m イブルキのコバ
0960 m 旧比良ロープウェー山上駅付近
△エスケープルート
無し(エスケープする場合、御殿山コース内であれば引き返すのが最良の選択のようだ)
今回のコースは武奈ヶ岳の各コースでは比較的安全と言われるコースで、
このコースが他のコースのエスケープ路になりうる登山道です。
今回、下山路で10m以上先に踏み跡を見つけて、そこへ向かって歩く事が多かったり、
スキー場跡の開けた場所からの出口方向が判り難い場所があった。
ガスが深くなった場合これらの場所は迷う可能性がある。
ガスが出た場合は確実に現在地確認とコンパスワークが必要だ。
※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)
△スタート地点付近情報
トイレ:坊村BS
コンビニ:出町柳BS付近にセブンイレブン・ファミマ
飲料自販機:出町柳付近多数(坊村BS南にも有ったが動作を確認していない)
△コース途中情報
トレイ:イン谷口付近
飲料自販機:無し