住吉川右岸道・西おたふく山・天狗岩南尾根
日付:2009/07/15 (水)
同行者:1名 計2名パーティ
天候:くもりのち晴れ
気温:22℃(六甲ガーデンテラス、11:00、標高約870m)
コース:住吉台〜五助堰堤〜住吉川右岸道〜西おたふく山〜ガーデンテラス〜六甲高山植物園〜天狗岩〜天狗岩南尾根〜渦森台
地形図:西宮・宝塚
一般地図概略位置:五助堰堤・西おたふく山・天狗岩
概算距離:11.1km
累積標高+:916m、累積標高−:883m
歩行時間:4時間7分、ルート係数:20.4
道迷い:特に問題箇所無し
特筆事項:住吉川右岸道バリケード通行禁止箇所有
体力難易度:レベル3
技術難易度:住吉川右岸道バリケード区間はBランク(2016年現在住吉川右岸道は下流部分に崩落があり歩行困難)
歩き慣れた方からは、幻?ちゃんと道はあるだろう!とお叱りを受けそうだが、
2009年版の山と高原地図「六甲・摩耶」から住吉川右岸道が消えている。
この登山地図をメインに登山をされておられる方は多い。
前回の平野谷東尾根は山と高原地図上実線道だ。
山行前調査時も、通行禁止を知らずに現場まで行って、バリケードがあったので迂回したと言う方が多かった。
(私のような故意犯は別として、現場にバリケードがあれば9割以上の方は素直に迂回するだろう)。
住吉川右岸道は高原地図上、薄灰色の線さえ描かれていない。
右岸道と左岸道の分岐地点には高原地図上分岐は無いのだ。
ましてや現場にはバリケードがある
、そうなると右岸道を歩かない登山者は更に増えるだろう。
登山者視点で見れば谷歩きの良い道なので、是非再整備して頂き、「幻の右岸道」にならないように期待したい。
○住吉台〜住吉川右岸道
住吉台方面へのアクセス詳細は住吉方面登山口解説ページを参考にして頂きたい。
今回は住吉台登山口スタートなので、JR住吉駅から住吉台くるくるバスで終点エクセル東まで乗車した。
平日朝の住吉台方面行きは乗客は終点まで私達のパーティだけだった。
山支度を整え、五助堰堤を越え住吉道を進むと、右岸道・左岸道の分岐に出る。
今回は右岸道を行く。
※右岸道の危険箇所は後述しているのでそちらをご覧頂きたい。
まずは小石の多い渡渉地点。
五助山分岐の道標を越えて2箇所目の渡渉、渡渉後大きな石の間を進む。
暫く進むと今度は大きな岩の間を通過する。ここは少し岩間が狭い。
写真の大きな岩が「大平岩」。登山道は岩の左側だ。
西滝ヶ谷・西おたふく方面への分岐を越えると、
林間歩きがやや多くなり、右岸道の北側バリケードに出る。
(西滝ヶ谷方面への分岐から西おたふくへ向かわれる方はやや道が不明瞭のようなので十分な事前調査を)
※左写真地点のペイントやマーキングは西滝ヶ谷方面へのものです、右岸道は直進です。
やはり沢筋は気温も低く、清涼な雰囲気+水音で歩き易いし気持ちが良い。
○住吉川分岐点から西おたふく山
住吉川の分岐点で一息ついて、道標に従い西おたふく山を目指す。
最高峰方面への分岐と、西滝ヶ谷方面への分岐を越える。
(西滝ヶ谷方面への分岐は前述の右岸道の分岐に対応している)
西おたふく山登山道は傾斜は急では無いし、登山道も明瞭だが
景色に変化の無い長い登りが続く、道標も殆ど無いので119つうほうプレートを行程の確認用に。
(ひ61−2は9:22、ひ61−2は9:33に通過している)
山頂に近づくと散策路の看板と案内板がある。
更に進むと、鉄塔管理用の舗装路に出る。
国土地理院1/25000地形図にある878mのピークを西おたふく山々頂とし、
最初は山頂付近にある北側鉄塔の北にある緩斜面からアプローチを試みるがブッシュがひどく失敗。
元の舗装路に戻り山上道路方向に歩いていくと、マーキングとしっかりした踏み跡を発見したのでこれを登る。
数分登るとうっすら「西おたふく山・・・・」と書かれた杭のあるピークに出る。
地形図上ここが西おたふく山々頂だと思われる。
※北側鉄塔の東にある867mのピークを西おたふく山々頂としているガイドブックや地図もある。
○西おたふく山〜高山植物園
今回は極楽茶屋跡までは舗装路、極楽茶屋から先は縦走路で六甲ガーデンテラスを目指した。
ガーデンテラスは空いていると思っていたのだが、観光バスも数台止まり、結構賑わっていた。
石切道の時はオープン時間のかなり前に到着し開店を待てなかったのだが、
今回は無事、フードテラスで昼食(冷やし六甲おろしそば)。
六甲おろしと言えば六甲颪。
今回の山行は(六甲颪とは正反対の夏の温かい南風だが)途中から風が強かった。
朝出発前に確認した天気図では、(気象予報士風に言うと)
日本海には梅雨前線があって、この前線に向かって南から湿った温かい空気が吹き込み
大気の状態が不安定になり、午後は夕立や雷に注意が必要でしょう。
とでも言うだろう天気図だった。
六甲山も9時頃から南(南西)から風が強くなり始め、熱の篭った身体には快適な自然の大扇風機だった。
神戸の天候が崩れなかったのは、思ったほど風は湿っておらず、積雲や積乱雲が発達する程ではなかったためだろう。
ゆっくり昼食を取って、六甲ガーデンテラスを出発、みよし観音前経由で高山植物園に向かった。
○高山植物園〜渦森台
高山植物園を出発し追い越し禁止車線のある車道を、みよし観音前BS・旧オリエンタルホテル方面へ向かう。
オリエンタルホテル跡を越えたところに道標と案内板がある。
暫く進むと休止中のロープウェー天狗岩駅と鉄塔(と別荘地)の分岐に出る、右折し鉄塔方向に進み下を通る。
すぐに天狗岩に到着する、良い景色だったのでここで暫し休憩。
天狗岩南尾根の名称通り、天狗岩のある広場の南にある下山口から下山開始。
前半は尾根道らしい明るい歩き易い道が続く。
ベンチのある休憩所を経て、ゆるい道ときつい道の分岐に出る(先の合流点は確認出来なかった)。
今回はゆるい道を選択、暫くは歩きやすかったがやがて藪漕ぎになる。
藪漕ぎが終わると、住吉山手(寒天橋)方面と渦森台(西山谷・千丈谷)方面への分岐に出る。
今回は地形図上の天狗岩南尾根を突端まで歩くので住吉山手方面に向かう。
寒天橋手前までの距離にして1Km弱が激下りであった。
ここまで歩いてきた足には堪えた、菊水山直登尾根級である(逆の登り利用はハードな登りになる)。
寒天橋東側に下山し、渦森台4丁目に登り返して、バスでJR住吉方面へ下山した。
山行諸データ部分にジャンプ
○天狗岩からの展望
西→南→東の展望です。当日は強風で大きなノイズが入っていますので、ボリュームは絞ってご覧下さい。
[高画質で再生]
天狗岩からの展望 [アフィリエイト]
山行解説部分に戻る
○住吉川右岸道危険箇所(Bランク)
※写真は3枚1セットになっており左から危険箇所の南側目標物、危険箇所、危険箇所の北側目標物(撮影は南の方向から)の順になっている。
1箇所目は、南側の右岸道分岐から2〜3分にある、やや注意箇所。
赤囲い部分の丸木階段谷側斜面が少し崩れている。
2箇所目は、南側の右岸道分岐から約15分の要注意箇所(こちらがバリケード敷設の原因箇所だと思われる)。
写真の通り登山道部分がほぼ抉り取られている。青線が登山道、赤線が抉り取られている部分。
抉り取られている距離は50〜60cmと短いが、
草が被い茂っているシーズンは登山道の崩落が確認できない可能性が有り危険である(まさに落とし穴状態)。
写真左斜面の山側草地水色付近に足場を確保し大股で乗越える。
※右岸道は6/21に下見で訪問しているのだが、それから僅か1ヶ月程で草の背丈が延び、崩落箇所が判りにくくなっている。
危険箇所を事前に知っていれば、バリケードの落書きにあるようにそれ程危なくは無いが、知らずに通ると経験者でも踏み抜く可能性がある。
家族連れハイキングで後続の保護者から視認可能だからといって、子供を先行させるような歩き方はこのコースでは厳禁だ。
この2箇所以外は、マーキングに引きこまれて山行解説中にある西滝ヶ谷の分岐に間違って入り込まないように注意が必要。
住吉川はしっかり水量があるので右岸道は面白い谷道なのだが、雨後の増水、驟雨、上流での天気の崩れには要注意。
(市街地ではあるが都賀川の増水事故も記憶に新しい、住吉谷は布引谷と共に六甲では長い谷で支沢支流も多く流入する水も多い)
このページの右岸道の写真も楽しい谷歩き写真だが、
冷静に見れば写真の岩や巨石は斜面からの落石か土石流として上流から流れてきたものだ。
現代は砂防技術も進み六甲山系は堰堤も多い、土石流の発生は少ないとは思うが、誰も0(ゼロ)とは言い切れない。
六甲山系は携帯電波の届く場所も多い、このサイトのLINKにもあるが、雲行きが怪しい時は携帯から降雨の確認や
下流の市街地部分ではあるが河川モニタリングカメラで出発前や入山前に水量確認をしておくのも良いだろう。
(川幅の広い下流市街地の増水は僅かでも、山間部は川幅が狭く危険な場合があるので注意が必要)
※道(山)の状態は日々変化しています。
危険箇所が増えたり、広がっている可能性は十分にありますので注意して下さい。
山行解説部分に戻る
○みよし観音
みよし観音建立の由来になった航空機事故の現場状況は現地碑文にある通りだ。
この事故は1964年2月18日に発生した、日東航空(NAL)101便グラマンG-73マラード(JA5067)墜落事故である。
(日東航空は後の日本国内航空→東亜国内航空→日本エアシステム→日本航空インターナショナルである)
NAL101便は午前8時21分頃、雪の大阪国際空港(伊丹空港)を徳島に向けて離陸、直後にキャブレターの凍結が疑われるトラブルで失速する。
不時着を試みるが電柱に主翼が衝突、尼崎市田能二ノ坪(現在は空港敷地内)の畑に墜落し炎上、
乗客乗員10名中2名が亡くなった。
亡くなられた乗員が、スチュワーデス麻畠美代子さんだ。
なぜ「六甲山上聖浄の地」にみよし観音が建立されたのか正確な経緯が記載された文献は発見できなかった
。
普通に考えれば事故現場付近に建立するものだと思うのだが、たぶん六甲山からは阪神一円の「空」を見渡す事ができるからだろう。
45年前の飛行機であるグラマンG-73マラードは乗客定員10名(日東航空運用当時)の小型水陸両用機だ。
(ウィキペディア、ページ下部の外部リンクから日東航空機の墜落する前の機体が確認できる)
尚、みよし観音から大阪国際空港の事故現場は真東から5度程北より(85度)の方角だ。
山行解説部分に戻る
○山行諸データ
△参考コースタイム(小休止・写真撮影等を含む)
08:00 エクセル東BS
08:19 五助堰堤
08:28 住吉川右岸・左岸道分岐
08:55 住吉川右岸・左岸道合流
(休憩5分)
09:00 住吉川右岸・左岸道合流
09:07 本庄橋最高峰方面分岐
09:47 ブナの森・峠の小径道標
10:07 西おたふく山々頂
10:28 極楽茶屋跡
10:40 六甲ガーデンテラス
(休憩30分)
11:10 六甲ガーデンテラス
11:20 六甲高山植物園
(散策40分)
12:00 六甲高山植物園
12:23 天狗岩
(休憩7分)
12:30 天狗岩
12:40 ベンチ休憩所
12:57 きつい道・ゆるい道分岐
13:20 寒天橋
13:29 渦森台4丁目BS
△高度計校正ポイント
263.8m エクセル東BS東方向T字路
286.4m 五助堰堤・石切道分岐
849.7m 西おたふく山北側縦走路交点
864.5m 旧極楽茶屋前車道
831.8m みよし観音BS前車道Y字路
762.3m 天狗岩
△エスケープルート
六甲ガーデンテラス・高山植物園・みよし観音前・旧オリエンタルホテル前→六甲山上循環バス
六甲ガーデンテラス→六甲有馬ロープウェー
旧オリエンタルホテル前→車道を西へ六甲ケーブル
※各交通機関は運転状況注意(運転時間帯、悪天候による運休や定休日)
△スタート地点付近情報
くるくるバスエクセル東BS付近はトイレ・コンビニ・飲料自販機は無い
JR住吉駅付近
トイレ:駅構内
コンビニ:駅南側にKiLaLa住吉1Fにセブンイレブン
飲料自販機:住吉駅付近多数
△コース途中情報
トレイ:六甲ガーデンテラス、六甲高山植物園(有料園内)
飲料自販機:極楽茶屋跡、六甲ガーデンテラス、みよし観音BS前