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六甲山での遭難対策 初心者向き、道迷いや気象・自然に関する注意




このページは六甲山系に特化した初心者ハイカー向けの遭難対策情報ページです。

2016年内容を一部改訂しました。以前のページはこちらです。

六甲山系は低山、市街地隣接、登山道が多い、また地図に記載されていない道も多数あるという特徴があります。
一般の書籍等で紹介されている高山の遭難対策とは違った手法や対策を考慮する必要があります。

六甲山の遭難で最も多い原因が道迷いです、道迷いがきっかけで転落したり、疲労や日没で低体温症を起す事もあります。
道迷い・怪我・進退窮による遭難は毎年のように多発しています。

兵庫県警、山岳遭難状況のページもご覧下さい。

六甲山での転滑落や死亡・重傷等の重大な遭難の多くは難易度の高い沢(西山谷・大月地獄谷・水晶谷・五助谷等)で起きています。
初心者レベルの間は単独や初心者同士で難易度の高い沢筋には絶対入らないようにしましょう。

高山では一歩のミスで命を落とすこともあります、六甲山のような低山でも一歩一歩を慎重に歩けば転倒を防ぐことができます。

遭難に分類して良いのか不明ですが、病気・疲労による救助要請もかなりの多く発生しています。
体調不良の場合は無理せず山行は延期しましょう。

尚、このページに書いてある通りの対応を行っても、遭難しない保証や遭難状態から脱出できる保証はできません。
あくまでも参考としてご覧下さい。



○机上登山

○道迷い

○現在地不明になった場合

○気象や自然に関する注意

○動物に関する注意

○六甲全山縦走路を歩く

○登山道上で日没

○Tokiwaの遭難対策




○机上登山

遭難対策として、コースが決まったらガイドブックを読むだけでなく、事前に地図を広げて机上登山をしておきましょう。
チェックする項目は特徴的な場所、目標物、分岐、ピーク、高低差等です。

山と高原地図(2011年版)を使った机上登山例) 弊サイト推奨コース、油コブシからアイスロードの場合

・スタート地点は六甲ケーブルの駅、バスで行ける
・ケーブル駅から右(東)の方に進む
・最初は舗装路(地図上の白い道)でヘアピンカーブの道
・高羽道との分岐がある
・山上までのコースタイムは1時間10分
・油コブシ山頂には三角点がある
・寒天山道と合流する
・山頂を越えても段彩の色が変わらない=200m以上登り下りすることは無い

・山上の舗装路に出たら左に進む
・ケーブル山上駅の前を通る
・サンライズドライブウェイという道が分岐している
・記念碑台には信号ある
・記念碑台からバスが出ている
・記念碑台舗装路を左(西)に歩く
・途中に六甲山ホテルがある
・記念碑台からアイスロードの下山口までコースタイムは10分

・アイスロードの下山口、反対側はシュラインロード
・六甲ケーブル下までコースタイムは1時間10分
・途中目標物が少ない
・表六甲ドライブウェイと交差する
・新六甲大橋下で舗装路にでる
・ゴールも六甲ケーブルの駅、バスで帰路に着ける

これだけの情報を事前に調べるだけで、道迷いの可能性はかなり低くなる。

次にネットを検索して、もう少し詳しい情報を取得しよう。

・ヘアピンカーブの場所には高齢者施設があり、その奥が登山口
・指導標はあるが分岐が多い
・鉄塔2本を通過する(この情報は地図からでも読み取れる)
・途中開けた場所がありベンチや東屋がある
・舗装路に出る手前は住宅地(別荘地)の階段道

・記念碑台はベンチが多くトイレもある
・アイスロード下山口の反対側に鳥居がある

・アイスロードは砂防ダムを目標にできる
・表六甲ドライブウェイと交差する場所はトンネル

なるべく早く、地図読みの第一歩として尾根・谷・斜面・ピーク・コルが地図から読み取れるようになろう。

・油コブシは最初は開けた場所、次に傾斜の緩い谷道、高羽道の分岐以降は尾根道
・アイスロードは最初は尾根道、前ヶ辻谷と書かれた北側から谷道、表六甲ドライブウェイのヘアピンカーブ付近から斜面の道

情報は多ければ多いほど良い、沢山の情報を頭にインプットして山へ向おう


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○道迷い

道に迷わないためにはポイントポイントで現在地を確認する事です。

登山を始めたばかりでは国土地理院1/25000地形図とコンパスだけで現在地把握をするのはまず無理です。

スマートフォンの登山アプリなどで、現在地を確認しながら歩いて、迷わないように注意しましょう。
あれ?と思ったら、迷わず現在地確認を行って下さい。



登山地図とコンパスの基本的な使い方は、ワンランク上の山(例えば、比良山系や鈴鹿山系)に登る準備として初心者のあいだに習得しましょう。
最初は山と高原地図を参考に、登山道の方角・登り下り・分岐・ピーク・コースタイムで現在地を推測して下さい。
山と高原地図とコンパス

分岐やピークでは、地図で現在地と進むべき方向を確認する。

分岐やピークで、次の目標地点(分岐やピーク)を設定し目標地点までのコースタイム・到着予想時刻を確認する。

東に向うはずが西に向かって歩いている(登山道は九十九折に曲がることもあります、道そのもの向きでは無く、全体的な進行方向です)
登りのはずが何百mも下っている、次の目標地点の到着予想時間を大幅に過ぎている等があれば、道を間違っていないか確認の必要があります。

六甲山の神戸市山域で初心者が歩ける登山道の多くには119ばんつうほうプレートが設置されています。
遭難時の連絡に利用することはもちろんのこと、道に迷っていないか確認する目的にも使用できます。
119プレート-油コブシ

このプレートには「な14−15」のように記号番号が書かれており、記号番号の意味は例の場合、
」はその道標付近を管轄する消防署の頭文字で、「な」は灘消防署を意味しています。
14」は登山道や地域・区間を表しており、六甲山系の登山道で重複しない番号が振られており、「14」はアイスロードという意味になります。
15」は登山道内の連番で一部例外を除き麓から山上方向に向けて番号が振られています。
道標は等間隔にあるわけでは無く、番号が飛んでいるケースもあります。
例のアイスロードの場合、1は表六甲DWからの登山口、山上道路に出る場所が15になります。
途中で登山道が合流(分岐)し、登山道を意味する番号も連番も変ってしまうケースもあります(青谷道と上野道、油コブシと寒天山道など)。
尚、例外として六甲全山縦走路の他一部は、「ち1−7−2」のように数字が3つあります。

119ばんつうほうプレートは一覧表(外部リンク、PDF)を参考にして下さい。

予定コースに119ばんつうほうプレートが設置されている場合、何番まであるか事前に確認しておくと行程の目安になります。
又、通過した119ばんつうほうプレートの記号番号を覚えておくことも遭難対策になります。



六甲山では登山道脇の樹木や岩石にテープやマーキングが数多く存在します。
一般向け登山道の大半はこういったマーキングを頼りにしなくても歩けるコースです。
テープやマーキングは難易度の高いコースの出入り口を示すものである可能性があります、引き込まれないように注意して下さい。

道迷いは大きく3つのケースに分けられると思っています。
いずれのケースも、原則はしっかり予定のコースだと確認できる地点まで戻る事です。


1.違う登山道に入り込んだ

分岐例1 分岐例2

歩いている方角が違う、登りのはずなのにどんどん下っている(途中にピークがある場合はかなり下って登り返す場合もあります)、
道標に書かれた行き先がどうも違う等、予定のコースを外れている可能性がある場合はすぐに立ち止まり、現在地を確認しましょう。
山と高原地図にはすべての登山道が記載されているわけではないので注意して下さい。

山中では道標の無い分岐や道標に登山者が希望する通りの記載がされていないケースもあります。
例えば、摩耶山史跡公園から下山する場合、旧天上寺山門南にある青谷道と上野道の分岐道標には
「青谷道」の記載はありますが「上野道」の記載はありません、上野道方向には「摩耶ケーブル下駅」と書かれています。
方向を特定するためにも山行コース周辺の地名をしっかり記憶しておいた方が良いでしょう。

間違ったかも知れない分岐が確認できたら、まず引き返す事を第一に考えましょう。

かなりの時間、間違ったコースを歩いており、歩いているコースが一般向きと確認できて
間もなくピークや下山地点ならそのままのコースを歩いても良いでしょう。

間違ったコースが経験者向きや熟練者向きのコースなら、そのまま進むのは危険です。
面倒でも必ず間違った地点まで引き返しましょう

地図を見ても現在地が確認出来なかったら、最後に現在地を確認した地点(分岐)まで引き返しましょう。

間違った事に気づかず、市街地まで下山してしまったら
無事下山できているのでそのまま山行を終え後日再チャレンジするのも良いでしょう。


2.鉄塔巡視路、森林管理道等の作業道や地元の方だけが通るような短絡路に入り込んだ。

巡視路例1 巡視路例2

急に今まで歩いていた道と登山道の状況が変わり、踏み跡が判り難くなり、道幅も細く荒れて険しい道になり
道標も出てこなくなったら、鉄塔巡視路や森林管理道に入ってしまった可能性があります。

可能ならスマートフォンで現在地を確認し、踏み跡をしっかり確認しながら、迷い込んだと思われる分岐まで引き返しましょう。

鉄塔巡視路や森林管理道は途中で途切れてしまう道が多いので必ず引き返しましょう。


3.登山道では無い場所に迷いこんだ。

登山道では無い場所例1 登山道では無い場所例2

僅かな踏み跡しかないような場所
になったり、踏み跡さえなくなったら、登山道から外れている可能性があります。

「おかしいな?」と思った時点で立ち止まり振り返ってみましょう、歩いてきた道ははっきり判りますか?

判らないようなら、登山道から外れていると考え、可能ならスマートフォンで現在地を確認
しっかりした道のある場所まで、記憶と自身の靴跡を頼りに引き返しましょう。

初心者の間は、常に今歩いてきた道が引き返せる難易度かどうか確認しながら歩いて下さい。
登山道であれ、迷い込んだ山中であれ、引き返せないような場所を進むのは初心者の間は危険です。

(崖や滝は登ることは出来ても下りれない、逆に下りれても登り返せないケースがあります)

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○現在地不明になった場合

登山道以外の場所に迷いこみ、復帰を試みたが失敗し現在地が判らなくなった。
まず一番にする事は落ち着く事です。
焦れば焦るほど深みに嵌まります、腰を下ろして水分でも摂って一息ついて下さい。

六甲山は市街地隣接の低山です。一週間も山中を彷徨えるような広い山ではありません
山地の四方は市街地で囲まれています(住宅が無い場所も最低でも道路があります)。
何十キロも山中を彷徨って気が付けば丹波篠山だったなんてことはありえません

六甲山地は東西こそ30Km強ありますが、南北は平均5Km程度で最も長い場所でも10Kmしかありません。
登山道も縦横無尽に付けられています、きっと迷っているあなたの居る場所は登山道から数百メートル〜1キロ程度しか離れていません
冷静に判断できれば、1時間もあればいずれかの登山道に復帰可能です。

日も高く、怪我や故障も無く体力は万全、装備も問題無いなら、高山のようにその場にじっとして救助を待つ必要はありません。
但し、パニックになり冷静な判断を欠くような場合は救助を要請した方が良いでしょう。

道迷い不安の大きい方は地図表示タイプのGPSやスマートフォンのGPSアプリの使用を強くお勧めします。
ガーミン、ソニー(ナビGPS)他からハンディタイプのGPSが発売されています。
スマートフォンのGPS機能を使用する場合はバッテリー残量に注意して下さい。

○携帯電話などで緯度経度・現在地を確認する

携帯電話の電波は通じますか?
通じなければ、尾根筋の電波が届きやすそうな場所まで移動して下さい。
六甲山系は意外と電波の通じる場所は多いです。
最新携帯では電波が届かなくてもGPS電波だけで現在地確認ができる機種があります。

移動する場合、崖を攀じ登ったり滝身を降りたり、
引き返せないような進路を取らないようにして下さい。
前章に記載した「登山道でも引き返せないような道は進まない」ルールを守っていれば
迷う過程ではそのような場所は通っていないはずです、無理に進むと進退窮になったり負傷し遭難します。

従来型携帯電話で緯度経度を確認
携帯の電波が届く場所に出たら、現在地の緯度経度を確認します。
ご自身の携帯電話の緯度経度表示が10進法で表示されているのか60進法で表示されているのか。
表示されている数値の測地系は世界測地系か日本測地系か事前に確認しておいて下さい。
市街地や迷っていない山行時に一度練習しておいた方が良いでしょう。

スマートフォンの場合
アプリで現在地を特定して下さい。

GPS付きカメラの場合
プレビュー機能などを利用し緯度経度を取得して下さい。

携帯電話等の確認手段が無い場合
道迷い時のセオリーに則り、山中で迷っていたら尾根から高い所を目指しましょう。
市街地の騒音が大きく聞こえるような低高度で迷っていたら、尾根から下りましょう。
尾根を下る場合は市街地直前部分が急坂やコンクリート等の崖になっている可能性がありますのでくれぐれも慎重に下りて下さい
六甲の沢筋には砂防堰堤が数多く存在し、堰堤を乗越えられない可能性がありますので行動は尾根筋を。
もし沢筋で迷い、堰堤名称が確認できたら記憶しておきましょう。

六甲の沢や尾根は余程の急な場所で無い限り、かつて歩かれた痕跡(テープやマーキング)が存在する可能性があります。
テープやマーキングをみつけたら、それを頼りに行動するのも良いでしょう。
その場合も引き返せないような道は進まないように注意して下さい。


○地図で現在地を特定する(スマートフォンの地図アプリなどが無い場合)

あまり注意深く見た事の無い方も多いかと思いますが、山と高原地図には0.5分(30秒)単位で格子線(世界測地系)が引かれています。
携帯電話で取得した現在地の緯度経度を地図とマップポインターで特定しましょう。
マップポインタ

マップポインタが無い場合でも、山と高原地図は30秒単位に線があるので目分量でもだいたいの位置を特定できます。
地図上で確定した地点の直径1〜2cm範囲にあなたは居る(山と高原地図六甲・摩耶は1/25000縮尺です)と思われます。

コンパスで方角を確認し、地図を整置して下さい。その際は真北と磁北の差に気をつけ下さい。
次に今あなたが居る場所は、ピーク・尾根・谷(沢)・斜面のどこですが?
斜面ならコンパスで斜面の向き(物を落として転がっていく方向)を確認して下さい。

山と高原地図では見難いのですが等高線を確認し先ほど特定した1〜2cmの範囲の中で
ピーク・尾根・谷(沢)・斜面情報から現在地をさらに絞って下さい。
(地形図の等高線を見てピーク・尾根・谷(沢)・斜面が区別できる程度の基礎知識は必要です)

高度計をお持ちであれば、さらに現在地は絞れます。(山と高原地図は200m単位で段彩されています)。

現在地が特定できれば、迷い込んだ元の登山道や近くの登山道が確認できると思います。

山と高原地図に登山道は描かれていないが○○尾根、△△谷等の記載があれば、
ベテランが歩くような場所で登山者と出会える可能性があります、登山者と出会えたら、正直に迷っていると伝えて助けを求めましょう。


○登山道に復帰する

地図で現在地から登山道までの方角と等高線の込み具合を確認します。
等高線が込んでいるところは急斜面ですので迂回しながら復帰路を選んで下さい。

復帰方向が決まったらコンパスやGPSで方向を確認し、
進むべき方向を目視し危険の無いコースであることを確認し進んで下さい。

前段の説明と重複しますが復帰を急いで崖をよじ登ったり、滝身を降りたり、
引き返せないような進路を取らない
ようにして下さい。

山では音は複雑に反射して届きます、音のする方向は当てになりません。

かなり奥深く迷い込んで復帰に時間がかかりそうな時は
15〜30分毎の携帯電波の届く場所で現在地と復帰路の再確認を繰り返し下さい。


○それでも登山道に復帰できなったら

パニック状態になり冷静な判断ができない。
どうしても登山道に復帰できず万策尽きた。
周囲の山の状況から、これ以上の行動すれば負傷する可能性が高い。
負傷し行動が難しくなった。
ビバークできる装備も無く、この状態が続けば日が暮れてしまう。
こうなると残念ですが
遭難です。

消防(119)や警察(110)に連絡し、冷静に状況を伝え指示を仰ぎましょう。
携帯電話等で現在地の緯度経度が取得可能なら伝えましょう。

神戸市航空機動隊兵庫県警にも救助用ヘリがあります。
天候の良い日中で見通しの良い場所ならば、通報後30分以内にピックアップして頂ける可能性もあります。

※夜間や悪天候時は原則救助ヘリは飛びません、遭難の可能性がある場合は日没時間や天候を意識しておく必要があります。
 怪我などしていない場合は見通しの良い場所で救助要請をしましょう。

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気象や自然に関する注意


当日出発前に必ず最新の天気予報を確認し、降雨や驟雨・雷が予想される時は延期を検討して下さい。

当日だけではなく前後の天気も山行決行の判断に加えて下さい。
例:今曇ってる→これから天気が回復する曇りなのか、崩れる曇りなのか?

神戸展望ライブカメラ六甲砂防天気情報も参考にして下さい。

慣れてくれば、天候変化の激しい山域や日程固定の山行等で雨天でも山に入る事があると思います。
雨天登山の経験も積む必要はありますので何度か山行を重ねてから歩き慣れたコースで練習して下さい。

雨天(まとまった降雨後を含む)は歩き難く転倒の危険性が高いだけでなく、
落石土砂崩れ沢の増水や鉄砲水・土石流の危険性がある事も頭に入れておいて下さい。

座りやすい大きな石があるからと、最近落石があったと思われるような場所で休憩しないように注意して下さい。


季節による注意:

春:
秋に比べると気温が低い事、晩春は驟雨(夕立・雷雨)に気をつけて下さい。

六甲山は低山ですので雷雲(積乱雲)の中に入ってしまうケースは稀ですが、雷が鳴ったら
開けた場所(露岩帯)を歩かない、高い木の近くなどでは雷の側撃に注意するなど一般的な雷対策と同様の対策は必要です。


夏:

十分な水分を持参し、途中で水分補給可能(自動販売機等)なコースや
山行中、体力の消耗が激しい時に公共交通機関で下山可能なコースを選択する事をオススメします。
(摩耶山掬星台や記念碑台〜六甲ガーデンテラス間を通過するようなコースが良いでしょう)

日の出時刻が早いので早朝出発も気温上昇対策になります(盛夏時期は低山には登らないハイカーも多いです)。

六甲山系は分類すると「低山」の山々です、高気温による熱痙攣・熱疲労や熱射病に注意して下さい。
(夏は冷房が効いていないと市街地の室内でも熱射病になる場合があります)

熱痙攣・熱疲労や熱射病、いわゆる熱中症の初期症状は、
筋肉の痙攣(手・足・腹部等)、強い疲労感、めまい、頭痛、吐き気です。
こういった症状が出た場合は、日陰や山上の冷房のある施設で休憩し、
水分(塩分を含んだスポーツドリンク等が良い)を補給、衣服を緩め、風や水で身体を冷やして下さい。
水等で冷やす場所は、頭やおでこより首筋・腋窩(腋の下)・鼠蹊部(大腿部の付け根)が効果的です。

ちょっとな便利グッズで紹介した保冷剤は効果大です、扇子や団扇もあると便利です。

保冷剤


秋:
スズメバチ対策として帽子を含め服装は明色系でまとめて下さい。
親子連れのイノシシには近づかないようにしましょう。
動物対策は次章にまとめています。


冬:
日没時刻が早いので山行開始時刻には気をつけて下さい。

六甲山上は市街地と比較して5〜10度気温が低く風も強い(体感温度が低くなる)ので服装に注意して下さい。
休憩に入ったらすぐ1枚着込み、身体が冷えないようにしましょう。

初心者レベルの間は、雪や低温による地面の凍結が予想される時は迷わず延期して下さい。
まとまった降雪があると、場所によっては登山道が雪に隠されて、どこを歩いてよいか判らなくなります。
六甲山でも冬は軽アイゼンの準備が必要です



高山ほど危険性は高く有りませんが低体温症凍傷にも注意が必要です、特に怪我等で行動不能になった場合は要注意です。
知識として対処方法を覚えておいた方が良いでしょう。
(2006年に六甲山中で遭難し3週間後に発見された方は、骨折で行動不能になり、凍傷を負い、低体温症で冬眠状態だったと言われています)

低体温症
の初期症状は、手先の細かい動作ができない、全身の震えや歯のカチカチが止まらないような症状です。
こういった症状が出た場合は、重ね着をする、カイロ等で首筋・腋窩(腋の下)を温める、
温かい飲物を飲む、身体を動かす等、身体を温める(産熱)行動をとって下さい。

凍傷凍瘡(しもやけ)にかかりやすい場所は手足の指、耳、鼻、頬です、前述の場所が痒い・痛いといった症状が出た場合は
カイロ等で温める、マッサージをして血行を良くする等の処置をして下さい。
濡れた靴下や手袋は凍傷になりやすいので、替えを携行して下さい。頬や鼻にはマスクも有効です。



夏場の熱中症・冬場の低体温症や凍傷への対応は兆候が現れ出した時(初期状態)の対応です。
症状が進行した場合は正しい応急処置知識が必要になりますので注意して下さい。

(熱射病が進行し体温調節機能が破綻していれば急激に体温を下げる必要がありますが、
低体温症が進行している場合は急激に手足を温めるのは危険だったりします)


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○動物に関する注意

六甲山系に熊は生息していません。

鹿も本来生息していませんが目撃したという情報もあります。鹿が生息していれば山ヒルに対して注意が必要です。


○スズメバチ


六甲山で最も危険な動物はスズメバチです。
攻撃性が高まる晩夏〜晩秋にかけては、気象や自然に関する注意にも書いた通り服装は明色系にし、香水などはつけないようにして下さい。

スズメバチの巣には近づかない、スズメバチを見かけても追い払わないことが肝心です。

過去にスズメバチに刺された経験のある方は蜂アレルギーの抗体検査を受けられた方が良いでしょう。
蜂アレルギーが確認された方は、アナフィラキシーショック対策として高価で嵩張りますが山登りにエピペンを携帯をした方が良いか医師と相談して下さい。


○マムシ

冬季以外で沢筋や湿度の高い場所、倒木が折り重なったような場所等では、マムシに気をつけて下さい。
岩に登るため、手を掛けた場所にマムシが居ることもあります。

基本的にこちらから近づかなければ襲ってくることはありません。
マムシに気づかず近づいてしまったり、踏んだりしないように気をつけて下さい。


○イノシシ

芦屋山域のイノシシは人馴れして逃げたりしませんので離れた場所でやり過ごしましょう。
ロックガーデン、高座谷、横池付近では極力食事を摂らないようにして下さい、食料を奪われる可能性があります。

2010年、芦屋ロックガーデンで登山者の食料を狙って人を襲うイノシシが発生しました(駆除済み)。
イノシシは臭覚が優れているので、食料の匂いを嗅ぎ分けてリュックの中の食料を狙って襲ったようです。

芦屋山域に生息するもの以外は人を見つけると逃げていきます。

どの山域でも親子連れのイノシシには近づかないようにしましょう。


○マダニ

笹薮にはダニがいます、小さいので注意して防ぐことは難しいです。
一度咬まれると暫くは放しません。
マダニはライム病という病気を持っていますので、無理に引き剥がさず皮膚科を受診しましょう。

最近、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)での死亡事例が多く報告されています。
藪道等歩かれる時は肌を露出しないように注意して下さい。


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○六甲全山縦走路を歩く

これから六甲山の登山コースをいろいろ歩く予定の方は、早い時期に六甲全山縦走路を歩いておくと良いでしょう。

六甲全山縦走路は一部に登山道が脆い部分もありますが、整備が行き届いた登山道です。
六甲山系を背骨のように東西に貫いていますので、多くの登山道から縦走路に接続可能です。
迷った時も縦走路にさえ出れば、他の登山道へのアクセスやエスケープも容易です。

弊サイトの縦走路ページや他サイトを参考に3分割か4分割で歩いておかれると良いでしょう。

3分割コース例

 1区:須磨浦公園〜神鉄鵯越駅
 2区:神鉄鵯越駅〜記念碑台(六甲ケーブルで下山)
 3区:記念碑台(六甲ケーブルで入山)〜宝塚湯本台広場

4分割コース例

 1区:須磨浦公園〜神鉄鵯越駅
 2区:神鉄鵯越駅〜市ヶ原(新神戸に下山)
 3区:市ヶ原(新神戸から入山)〜記念碑台(六甲ケーブルで下山)
 4区:記念碑台(六甲ケーブルで入山)〜宝塚湯本台広場


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○登山道上で日没

当たり前のことですが、日没までに下山するのが基本です。
山は逃げませんので日没が近い場合は、無理して予定のコースを歩かずエスケープしましょう。

春秋(春分・秋分前後)は15時、冬(冬至前後)は14時、夏(夏至前後)は16時が日没について検討する時間だと思います。
8月下旬は秋分に近く、予想以上に早く日が暮れますので注意して下さい。

参考:神戸の平均的な日没時間 春分18:10頃 夏至19:15頃 秋分17:55頃 冬至16:50頃

検討時間になったら、日没までにちゃんと下山できる時間的余裕があるか確認して下さい。
まだコースの中間点(頂上等)を過ぎていない場合は下山タイムを考え下山不可能と判断したらエスケープを検討して下さい。

六甲山は殆どが樹林帯の山なので、北や東向きの斜面で曇りなら日没の1時間前でもかなり暗くなります。

何らかの事情で山中で日没を迎えてしまった場合は、前章の六甲全山縦走路や今まで歩いた登山道など、
安全と思う登山道を選択してヘッドライトを使用し、ゆっくり焦らずに下山して下さい。
六甲山系の一般向け登山道の多くはヘッドライトがあり慎重に歩けば夜間でも行動可能です。
但し、パニックになり冷静な判断を欠くような場合は動かず救助を要請した方が良いでしょう。

この写真は夜間の登山道です、勿論遠くを見通すことはできません。
フラッシュ撮影していますので近くは広範囲に見えていますが、ヘッドライトだけではこれだけ広範囲には照らせません。
夜の登山道フラッシュ撮影

芦屋山域他、枝道の多い山域では道迷いに注意して下さい。
焦って難易度の高い最短コースを選んだりせず、多少遠回りでも整備の行き届いた登山道を下山路に選択して下さい。

尚、六甲ケーブルは通年21時10分が最終、摩耶ビューラインは春夏秋の土日祝なら20:50が最終ですのでエスケープに利用可能です。
山上道路に出れば、市街地からタクシーを呼ぶ事も可能です。

日没後ヘッドライトが無いため行動不能になり救助を要請するケースが増えているようです、ヘッドライトは必ず携行しましょう。

ヘッドライトが無い場合や道迷いで登山道から外れている可能性がある場合は、夜間に山中で行動するのは危険です。
遭難したと判断し、救助を要請しましょう。

日没時間は天気予報サイトなどで山行前に確認しておくか、携帯でアクセスできるように登録しておくと良いでしょう。


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○Tokiwaの遭難対策

平地でのトレーニング、登山技術や読図能力の向上など、できる範囲のことはやっていますが、それでも遭難する時は遭難してしまうと思っています。

遭難対策として特に単独登山の場合は以下の事を行っています。

 ・今回の登山コースを記載した地図を知人(家族)に残す。
 ・途中撤退やエスケープの場合を除き予定コースを外れない。
 ・1時間に1回を目処に凡その現在地を知人(家族)にメールで送信する。
 ・予定コースを外れる場合は新コースを知人(家族)にメールで送信する。

 尚、現在地を示すメールやコース変更のメールはあくまでも遭難対策ですので、登山専門用語や山中の固有名詞を使っています。
 遭難した場合に救助して頂く方がメールの内容を理解できれば良いので、メールの受信者が内容を理解できなくても問題ないと思っています。



○官公署・メディア等の方はメールでお問い合わせ下さい。→メール送信フォーム



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